ファイザー アビバクタムナトリウム・セフタジジム水和物配合点滴静注用を承認申請 AMR対策に
公開日時 2023/04/27 04:49
ファイザーは4月26日、薬剤耐性(AMR)対策への新たな治療選択肢として、アビバクタムナトリウム・セフタジジム水和物配合点滴静注用を承認申請したと発表した。今回の申請は、複雑性腹腔内感染症患者を対象とした国内第3相試験と、2016年にファイザーが米国およびカナダ以外の開発・商業化の権利を得る前に実施された国際共同治験の結果などに基づく。
同配合剤は、セフェム系抗菌薬・セフタジジム水和物に、新規のβ-ラクタマーゼ阻害薬・アビバクタムナトリウムを配合した注射用β-ラクタマーゼ阻害剤配合抗生物質製剤。アビバクタムナトリウムがβ-ラクタム系抗菌薬の耐性機序に関わるβ-ラクタマーゼのうち、AmblerクラスA、クラスC、一部のクラスDのセリン-β-ラクタマーゼを阻害することで、セフタジジム水和物がβ-ラクタマーゼ産生菌に対して抗菌作用を発揮する。
グラム陰性菌は、敗血症、肺炎、尿路感染症、腹腔内感染症等の様々な感染症の原因菌となり、近年ではこれらの薬剤耐性菌の増加が問題となっている。
ファイザーR&D社の石橋太郎社長は、「本剤は、薬剤耐性菌を含む原因菌による複雑性尿路感染症、複雑性腹腔内感染症、人工呼吸器関連肺炎を含む院内肺炎と、これらの感染症に関連する菌血症に対する治療薬として海外で承認されており、本邦でもAMR対策の新たな治療選択肢となることが期待される」とコメントしている。
薬剤耐性(AMR)とは、感染症の原因となる病原体に対して治療薬が効かない、もしくは効きにくくなること。未来にも使える抗菌薬を残そうと、世界各国でAMR対策に向けた取り組みが進められている。