小野薬品 米Cue社の二重特異性融合タンパク質「CUE-401」のオプション契約及び提携契約締結
公開日時 2023/02/24 04:50
小野薬品は2月22日、米国Cue Biopharma社(本社:米国マサチューセッツ州ボストン)との間で、自己免疫・炎症性疾患領域において制御性T細胞(Treg)を誘導・増殖させるようデザインされた二重特異性融合タンパク質である「CUE-401」に関するオプション契約および提携契約を締結したと発表した。小野薬品はこの契約に基づき、CUE-401を全世界で開発・商業化するためのオプション権を取得し、Cue社は米国での共同開発・商業化に関するオプション権を留保した。
小野薬品は契約一時金をCue社に支払うとともに、小野薬品がオプション権を行使後は開発および売上高の進捗に応じたマイルストンとして最大約2.2億ドル、さらに上市後の売上高に応じた段階的なロイヤルティをCue社に支払う。オプション期間中は、Cue社が研究開発を担い、小野薬品がその研究開発費を負担する。
CUE-401は、トランスフォーミング増殖因子β(TGF-β)およびインターロイキン2(IL-2)の送達によりTregを誘導・増殖させるようにデザインされた二重特異性融合タンパク質。Cue社がこれまでに実施した非臨床試験で、その誘導・増殖作用が確認された。小野薬品は、「幅広い自己免疫・炎症性疾患に有効性を示す可能性を秘めている」としている。
小野薬品の滝野十一研究本部長は、「当社は、新しい治療モダリティとして、Cue社独自のタンパク質のエンジニアリングプラットフォームを高く評価している」とした上で、「CUE-401が自己免疫疾患や炎症性疾患の患者さんを助ける薬剤としてポートフォリオに加えられるよう取り組んでいく」と述べた。
Cue社は、患者の体内で疾患特異的なT細胞を選択的に誘導する新規のバイオ医薬品の開発に取り組む臨床段階のバイオ医薬品企業。同社独自のプラットフォームであるImmuno-STATTM(Selective Targeting and Alteration of T cells)およびバイオ医薬品は、生体外での操作や広範な全身性の免疫調節を必要とせずにT細胞誘導薬として体内に備わる免疫系を利用できるように設計されている。