米FDA CDER 22年の承認薬は37剤 希少疾患薬が全体の54%を占める 18年ピークに減少続く
公開日時 2023/02/10 04:50
米食品医薬品局(FDA)医薬品評価研究センター(CDER)が公表した「イノベーションを通して健康を前進させる:新薬承認2022」(Advancing Health Through Innovation: New Drug Therapy Approvals 2022)によると、2022年の承認薬は37剤で、2021年の50剤から減少した。
CDERのPatrizia Cavazzoniセンター長は、2022年はCOVID-19(新型コロナウイルス感染症)によるパンデミック3年目となったほか、サル痘の発生など保健衛生環境は厳しい年となったとの認識を示した。同氏は、「我々は、広範かつ多数の疾患の予防、診断および治療薬を承認した」と強調。さらに、2022年には、米国で40番目のバイオシミラーを承認したことに言及した。なお、CDERの新薬承認数は、2018年の59剤をピークに19年48剤、20年53剤、21年50剤となっており、減少傾向にある。
2022年に承認した37剤のうち、20剤(54%)は希少疾病薬だった。そのなかには、スフィンゴミエリナーゼ欠損症(ニーマンピック病A型、B型およびA/B型)治療薬、閉塞性肥大型心筋症治療薬、転移もしくは切除不能ぶどう膜メラノーマ治療薬などがある。
また、2022年には、PDUFA(ユーザーフィー法)による承認日目標に間に合ったのは37剤中36剤で、達成率97%となった。米国で諸外国に先駆けて承認されたのは、37剤中25剤で、全体の68%となった。また、FDAは重篤な疾患や生命を脅かす疾患の治療薬の迅速な承認を図るために、4つのプログラム(Fast track=迅速審査、Breakthrough Therapy=画期的新薬、Priority Review=優先審査およびAccelerated Approval=加速審査)を設けているが37剤のうち24剤がこのいずれか(1つ以上)を活用していた。
また、37剤のうち、20剤(54%)は既存薬とは異なる作用機序を持ったファースト・イン・クラスに属する薬剤であることを明らかにしている。そのなかには、2型糖尿病薬Mounjaro(チルゼパチド)、抗HIV薬Sunlenca(レナカパビル)などが含まれる。
FDA生物製剤評価研究センター(CBER)は、同日、2022年の生物製剤承認数を発表、2022年には12剤を承認したことを明らかにした。そのなかには、COVID-19ワクチンのSpikevax、再発もしくは難治性多発性骨髄腫(MM)治療薬Carvykti(ciltacabtagene autoleucel)、クロストリジウムディフィシレ感染再発予防の糞便微生物叢薬剤Rebyota(fecal microbiota、live-jslm)などがある。