非対面診療に係る算定件数 最多は今年2月 新設の「情報通信機器」初診は限定的
公開日時 2022/07/05 04:50
電話や情報通信機器による非対面診療に係る診療報酬算定件数は、今年2月が最多だったことがわかった。2月は新型コロナの新規感染者数が1日に10万人を超えるなど第6波のピークを迎えた時期。非対面診療に係る診療報酬(初再診療・外来診療料、医学管理料、関連加算)の算定件数は1月に急増して、2月に1万3657件と最多となり、特に「二類感染症患者入院診療加算(250点)」の算定が目立っていた。同加算は、自治体が用意した宿泊療養施設にいる新型コロナ患者や自宅療養患者などに対する電話などでの診療を評価するもので、同加算の算定件数増と感染拡大の時期が合致する。
この調査・分析は、国内最大規模の診療データベースを保有するメディカル・データ・ビジョン(MDV)によるもの。MDVが二次利用の許諾を得た2020年4月から22年4月までのデータがそろっている全国198の急性期病院の非対面診療に係る算定件数を調べた。
非対面診療の算定件数は、これまでは1回目の緊急事態宣言が発出された20年4月の1万2216件が最多だったが、今年2月の件数が塗り替えた。MDVによると、今年2月は「二類感染症患者入院診療加算」のほか、慢性疾患患者に対する非対面診療を評価する「慢性疾患の診療(147点)」の件数増も確認された。
今年3月以降の非対面診療に係る算定件数は減少の一途をたどり、4月は7004件だった。4月の診療報酬改定で新設された「情報通信機器を用いた」初診(251点)は86件、同再診(73点)は37件と極めて限定的な算定状況だった。