厚労省 初代「医薬産業振興・医療情報審議官」に城克文元経済課長 新設の流通・薬価有識者会議の舵取り役に
公開日時 2022/06/21 11:25

厚生労働省は6月21日、初代の「医薬産業振興・医療情報審議官」に城克文元経済課長(現・日本医療研究開発機構(AMED)理事)を充てる幹部人事を決めた。7月1日付。(写真は2022年4月、本誌撮影)
城氏は、1989年厚生省に入省。2013年に医政局経済課長、16年に保険局総務課長、19年に内閣官房内閣審議官内閣官房健康・医療戦略室次長を務め、20年8月から現職。経済課長時代の2015年に「医薬品産業強化総合戦略~グローバル展開を見据えた創薬~」を策定するなど、医薬品業界・流通に精通。保険局医療介護連携政策課長、社会保険診療報酬支払基金審議役を務めるなど、データープラットフォームやデジタルの経験も豊富だ。
◎「流通・薬価制度に関する有識者検討会」で製薬産業振興策など徹底議論へ
後藤茂之厚労相は6月14日に開いた革新的医薬品等創出のための官民対話で、「医薬品の迅速かつ安定的な供給のための流通・薬価制度に関する有識者検討会」を立ち上げ、審議官の下で新体制として、流通・薬価制度改革の検討を進める方針を示している(
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◎城氏 本誌インタビューで「自らの手で改革を実現する覚悟」を求める
城氏は4月末に行った本誌取材(
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