協和キリン ルカ・サイエンス社とミトコンドリア病治療の共同研究開始
公開日時 2022/05/19 04:50
協和キリンとルカ・サイエンス社(東京都中央区、サイ リック代表取締役CEO)は5月18日、ルカ・サイエンスが開発中の新規ミトコンドリア製剤プラットフォームを用いたミトコンドリア病治療に関する共同研究契約を締結したと発表した。両社の強みを融合して、ミトコンドリア病を対象とする革新的治療法の創成を目指す。
ミトコンドリアは体内のエネルギーの90%以上を産生する「細胞内の発電所」といわれる小器官。ミトコンドリア病は、遺伝子の異常によりミトコンドリアの機能が低下することで発症し、国の指定難病になっている。ミトコンドリア病には様々な病態があり、特にエネルギーを多く必要とする脳、心臓、筋肉、眼などの臓器に強く症状が現れる。現在は対症療法のみで、決定的な治療法は見つかっていない。
ルカ・サイエンスは、細胞から高機能のミトコンドリアを単離製造するプラットフォーム技術をもとに、ミトコンドリア医薬品という革新的なモダリティの開発を進める前臨床ステージのバイオ製薬企業。独自の機能性ミトコンドリアを製造、保存、送達するシステムにより、機能不全・障害が発生した組織・臓器の生体エネルギーを改善することで、幅広い疾患領域のアンメット・メディカル・ニーズに対するアプローチを可能にするとしている。
両社による今回の共同研究では、ルカ・サイエンスのミトコンドリア製剤の創薬プラットフォーム技術と、協和キリンの多様なバイオ創薬経験に基づく疾患サイエンス研究のナレッジを融合させ、ミトコンドリア病に対する革新的治療法を創成することを目的とする。