経済産業省が3月9日に公表した「健康経営優良法人2022」の大規模法人部門に、製薬企業39社が認定された。このうち健康経営度調査結果の上位500法人のみが認定される「ホワイト500」には、大塚製薬、協和キリン、ジョンソン・エンド・ジョンソン、大鵬薬品など17社が選ばれた。健康経営優良法人制度とは、特に優良な健康経営を実践する大企業や中小企業等の法人を「見える化」することで、従業員や求職者、関係企業や金融機関等から評価を受けることができる環境整備を目的に、2016年度に経済産業省が創設した制度。企業等からの申請内容を審査した上で、日本健康会議が認定する。

「ホワイト500」に認定された企業は次の通り。▽大塚製薬、▽大塚ホールディングス、▽協和キリン、▽ジョンソン・エンド・ジョンソン、▽大鵬薬品、▽第一三共、▽中外製薬、▽あすか製薬ホールディングス、▽グラクソ・スミスクライン、▽エーザイ、▽日本新薬、▽小野薬品、▽大日本住友製薬、▽田辺三菱製薬、▽ロート製薬、▽東和薬品、▽ＫＭバイオロジクス－の17社。

ホワイト500を除く大規模法人部門に認定された企業は次の通り。▽キョーリン製薬ホールディングス、▽富士製薬、▽アステラス製薬、▽あゆみ製薬ホールディングス、▽アッヴィ合同会社、▽栄研化学、▽日本メジフィジックス、▽大正製薬ホールディングス、▽協和ファーマケミカル、▽キッセイ薬品、▽アルプス薬品工業、▽中京医薬品、▽サワイグループホールディングス、▽参天製薬、▽塩野義製薬、▽千寿製薬、▽日本臓器製薬、▽森下仁丹、▽日本イーライリリー、▽Ｉ＆Ｈ、▽大塚製薬工場、▽再春館製薬所－の22社。

◎協和キリン　ウォーキングキャンペーンに従業員7割超が参加　喫煙率も低下

協和キリンは、「ウォーキングキャンペーン参加率」や「平均歩数」といった、従業員がわかりやすい行動を目標に掲げ、4 年前まで参加率10%台だったウォーキングキャンペーンに従業員の7割を超える約3000 人が参加した。また、2020 年の喫煙率5%を目標設定。2020 年に目標を達成し現在も維持。協和キリン単体の喫煙率は施策開始前に比べ 16％ポイント以上低下。労働生産性の観点から投資額に対し60倍もの効果が得られたとしている。

◎エーザイ　“エーザイ健康宣言”を発効し、健康経営を推進

エーザイは同日、「社員を hhc理念を実現する重要なステークホルダーかつ大切な財産と位置づけ、“人財”と表現しています。“人財”の健康の維持・増進の取り組みは、hhc理念実現に向けた自発的な貢献意欲と高いエンゲージメントを備えた人財を輩出する基本であると考えている。2019 年には“エーザイ健康宣言”を発効し、健康経営を推進している」とコメントした。

◎GSK　コロナ禍で在宅勤務が常態化　管理職研修や相談窓口でメンタルヘルスを支援

グラクソ・スミスクラインは、「近年のコロナ禍で在宅勤務が常態化するなど働き方が変化する中、社員のメンタルヘルスをサポートするため、管理職研修の実施や専門相談窓口の設置、マインドフルネスセッションの提供等により施策を強化した。また生活習慣病の重症化予防のため、生活習慣病予備群に対して、個別アプローチによる受診勧奨やフォローなどの予防促進に重点的に取り組んだ」ことが評価されたとコメントした。

◎あすか製薬　健康診断・ストレスチェックの実施および事後フォローの充実

あすか製薬は、「グループ全社において健康施策を統一し実践した。健康経営の礎となる健康診断・ストレスチェックの実施および事後フォローの充実、感染症予防対策の徹底、多様で柔軟な働き方をめざした取り組みが評価され、今回の認定に至った」などの取り組みを強調した。

◎東和薬品　ストレスチェックの結果をもとにした保健指導や健康教育を実施

東和薬品は「働きやすい職場づくり、心の健康づくり、社員の健康増進に向けた取り組みを行っている。具体的には、保健師を配置し健康診断やストレスチェックの結果をもとにした保健指導や健康教育、休憩時間も含めた就業時間中の完全禁煙の推進を実施している。さらに自社健保の強みを生かし、家族も含めた疾病予防・健康増進事業などのコラボヘルスも推進した」と説明した。