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重症喘息治療薬テゼスパイア皮下注など5製品を審議 3月3日の薬食審・第二部会

公開日時 2022/02/18 04:49
厚生労働省は3月3日に薬食審医薬品第二部会を開催し、新薬5製品を審議する。審議されるのは、マルホのアトピー性皮膚炎に伴うそう痒治療薬・ミチーガ皮下注用(一般名:ネモリズマブ)や、アストラゼネカの重症喘息治療薬・テゼスパイア皮下注(テゼペルマブ)など。

報告品目は、抗PD-1抗体・オプジーボの尿路上皮がん術後補助療法の追加や、HER2陽性大腸がんに対する抗HER2抗体・パージェタおよびハーセプチンの併用療法の追加など、4製品。

【審議予定品目】(カッコ内は一般名、申請企業名)

ミチーガ皮下注用60mgシリンジ(ネモリズマブ(遺伝子組換え)、マルホ):「アトピー性皮膚炎に伴うそう痒」を対象疾患とする新有効成分含有医薬品。

抗IL-31レセプターAヒト化モノクローナル抗体。そう痒誘発性サイトカインのIL-31とそのレセプターの結合を競合的に阻害することで、生物学的作用を抑制し薬効を発揮する。

マルホは2016年9月に、同剤を創製した中外製薬と皮膚科疾患領域における国内ライセンス契約を締結。アトピー性皮膚炎に伴うそう痒を対象に開発を進め、19年4月に国内第3相試験で主要評価項目(投与開始16週後のそう痒VAS変化率)を達成したと発表している。

タクザイロ皮下注300mgシリンジ(ラナデルマブ(遺伝子組換え)、武田薬品):「遺伝性血管性浮腫の急性発作の発症抑制」を対象疾患とする新有効成分含有医薬品。希少疾病用医薬品。

遺伝性血管性浮腫(HAE)発作を抑制する完全ヒト型抗ヒト血漿カリクレインモノクローナル抗体。HAEは腹部、顔面、足、性器、手、喉など、身体のさまざまな場所に繰り返し浮腫発作を引き起こす希少な遺伝性疾患で、国内患者数は2000~3000人と推定されている。

テゼスパイア皮下注210mgシリンジ(テゼペルマブ(遺伝子組換え)、アストラゼネカ):「気管支喘息」を対象疾患とする新有効成分含有医薬品。

複数の炎症カスケードの上流で主要な上皮細胞サイトカインであり、重症喘息に伴うアレルギー性、好酸球性、他のタイプの気道炎症の発現および持続に不可欠なTSLP(胸腺間質性リンパ球新生因子)の作用を阻害するファースト・イン・クラスのヒト型モノクローナル抗体。

コントロール不良の重症喘息を対象とする第3相NAVIGATOR試験を含む、一連の臨床開発プログラムの結果に基づき、21年5月に承認申請された。年間喘息増悪率(AAER)について、52週間にわたり患者集団全体で、プラセボ投与群に比べ、56%抑制し、統計学的な有意差を認めた。

ユニタルク胸膜腔内注入用懸濁剤4g(タルク、ノーベルファーマ):「続発性難治性気胸」を対象疾患とする新効能医薬品。希少疾病用医薬品。

予定される効能・効果を「外科手術による治療が困難な続発性難治性気胸」として21年6月に希少疾病用医薬品に指定されている。外科手術による治療が困難な気胸の患者数は、250~2300人程度と推定されている。

セムブリックス錠20mg、同40mg(アシミニブ塩酸塩、ノバルティスファーマ):「慢性骨髄性白血病」を対象疾患とする新有効成分含有医薬品。希少疾病用医薬品。

STAMP(ABLミリストイルポケット)阻害剤。予定される効能・効果を「前治療薬に抵抗性又は不耐容の慢性骨髄性白血病(CML)」として21年8月に希少疾病用医薬品に指定されている。2剤以上のチロシンキナーゼ阻害剤による前治療に抵抗性又は不耐容のCML患者を対象とした国際共同第3相ASCEMBL試験において、ボスチニブ群に対する優越性が検証される等の試験成績が得られている。

【報告予定品目】(カッコ内は一般名、申請企業名)
報告品目は、医薬品医療機器総合機構(PMDA)の審査段階で承認して差し支えないとされ、部会では審議せず、報告のみでよいと判断されたもの。

オプジーボ点滴静注20mg、同100mg、同120mg、同240mg(ニボルマブ(遺伝子組換え)、小野薬品):「尿路上皮がんにおける術後補助療法」を対象疾患とする新効能・新用量医薬品。

ヒト型抗ヒトPD-1モノクローナル抗体。根治切除後の再発リスクが高い筋層浸潤性尿路上皮がん患者の術後補助療法として、オプジーボ単剤療法をプラセボと比較した国際共同第3相CheckMate-274(ONO-4538-33)試験結果に基づき、21年3月末に承認申請された。主要評価項目に据えた全無作為化患者のる無病生存期間(DFS)で統計学的に有意な延長を示した。

パージェタ点滴静注420mg/14mL(ペルツズマブ(遺伝子組換え)、中外製薬)
ハーセプチン注射用60、同150(トラスツズマブ(遺伝子組換え)、中外製薬)
:いずれも「結腸・直腸がん」を対象疾患とする新効能・新用量医薬品。

抗HER2ヒト化モノクローナル抗体。HER2 レセプターの異なる部位を標的とし、単剤で投与するよりもHERシグナル伝達系をより広範囲に遮断する。HER2陽性乳がんでは併用で用いられている。部会では、HER2陽性結腸・直腸がんでの併用の追加が報告される。

フィブリノゲンHT静注用1g「JB」(乾燥人フィブリノゲン、日本血液製剤機構):「産科危機的出血に伴う後天性低フィブリノゲン血症に対するフィブリノゲンの補充」を対象疾患とする新効能・新用量医薬品。事前評価済公知申請。

21年8月の医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議において医学薬学上公知と判断された。9月の第二部会で公知申請についての事前評価が行われ、公知申請を行っても差し支えないとの結論が得られ、保険適用されている。
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