田辺三菱製薬 申請中の遅発性ジスキネジア治療薬バルベナジン ヤンセンと共同販促
公開日時 2021/12/06 04:50
田辺三菱製薬とヤンセンファーマは12月3日、田辺三菱製薬が国内申請している遅発性ジスキネジア治療薬バルベナジン(一般名、開発コード:MT-5199)について、ヤンセンと共同販促する契約を締結したと発表した。承認取得後は、ヤンセンが販売を行い、両社共同で情報提供活動する。
田辺三菱製薬は、精神科領域に強みを持つヤンセンとパートナーを組むことで、より多くの医療関係者に情報提供できると判断した。両社は、日本に遅発性ジスキネジアに対する治療薬がないため、「承認取得後はすみやかに患者さんへ治療薬をお届けしたい」としている。
遅発性ジスキネジアは、抗精神病薬などを長期間服用することで起こる不随意運動のこと。発症機序は明確ではないが、ドパミン受容体の感受性増加などが原因と考えられている。症状は患者ごとに異なり、舌を左右に動かす、口をもぐもぐさせるなど顔面に主に現れる。重症になれば嚥下障害や呼吸困難を引き起こす可能性があり、重篤な状態になる患者もいる。
バルベナジンは神経終末に存在するVMAT2を選択的に阻害することにより、神経終末からのドパミン分泌を可逆的に抑制することで、遅発性ジスキネジアに伴う不随意運動を抑制する。