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日本化薬 抗がん剤テモゾロミド錠の早期供給再開に「鋭意努力」 製造所変更を申請

公開日時 2021/11/11 04:51
日本化薬の小泉和人医薬事業本部長は11月10日の2021年度第2四半期決算会見で、小林化工の品質問題をきっかけに出荷停止中の抗がん剤テモゾロミド錠「NK」について、規制当局に製造所変更を申請していることを明らかにした。「医療機関や患者から非常に多くの出荷再開の要望をいただいている」とし、「早期の供給再開に向け、鋭意努力する」と強調した。供給再開時期のメドについては、製造所変更の承認時期によるとして、「確実にいつからということは、今現在、言えない」と話した。

テモゾロミド製剤の後発品は、日本化薬のテモゾロミド錠「NK」のみで、市場シェアが極めて高いとされる。

テモゾロミド錠「NK」を製造委託していた小林化工は2月9日に業務停止命令を受けた。ただ、その後、同剤の製造に関してはテモゾロミド製剤としての安定供給に支障がなくなるまでの間、業務停止から除外され、製造が再開された。そして、MSDの先発品テモダールカプセルが7月以降に代替品として供給できるめどが立ち、テモゾロミド錠「NK」の製造は休止され、日本化薬は6月末で特約店への出荷を停止した。

テモダールへの切替えにより、剤形が錠剤からカプセル剤に変わったほか、薬価が約2倍となることで患者負担も増えた。

◎医薬事業は増収・営業減益 下期以降は抗がん剤ペメトレキセドに注力

同社の医薬事業の21年度上期業績は、売上255億円(前年同期比1.6%増)、営業利益41億円(同5.0%減)だった。このうちジェネリック抗がん剤の売上は95億円(同8.8%減)、バイオシミラーの売上は52億円(同3.5%増)。4月の薬価改定で「(後発品専業)大手とほぼ同じような影響を受けた」(小泉本部長)が、7月にジェネリック抗がん剤のペメトレキセドや、バイオシミラーのインフリキシマブBSおよびトラスツズマブBSなどがシェアを伸ばした。

ペメトレキセドは点滴静注液もランナップし、凍結乾燥剤に比べて溶解作業とそのために要する時間を不要とし、高用量製剤も用意した。同社によると、「先生方から使いやすいと好評を得ている」という。下期以降もジェネリック抗がん剤の主軸にペメトレキセドを置き、注力する方針。

◎9月末シェア インフリキシマブBSは19% トラスツズマブBSは44%

同社のインフリキシマブBSの9月末のシェアは、先発品を含む市場の19%を占めた。トラスツズマブBSのシェアは同44%という。長期的なシェア目標は、インフリキシマブBSは25%、トラスツズマブBSは60%と設定したが、小泉本部長は、バイオシミラーの政策次第ではインフリキシマブBSのシェア目標を引き上げる考えを示した。
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