興和 東和薬品に56億円を損害賠償請求、総額188億円強に リバロの特許権侵害で
公開日時 2021/04/06 04:50
興和は4月5日、東和薬品に対し、高コレステロール血症治療薬リバロ錠(一般名:ピタバスタチンカルシウム)の特許権侵害に係る損害賠償請求訴訟を東京地裁に提起したと発表した。興和は今回、2018年4月から19年3月までの1年間の東和薬品の後発品「ピタバスタチンCa・OD錠1mg/2mg/4mg「トーワ」」の販売分をもとに、56億1814万円を請求した。興和はこれまでに、東和薬品が後発品の販売を開始した13年12月から18年3月までの販売分をもとに算出した131億9303万400円の損害賠償請求訴訟を提起しており、東和薬品に対する請求額は計188億円強となった。
特許侵害の内容について興和は、「特定の添加物を含み、かつ、特定の水分値の錠剤が侵害している」とのみ説明している。リバロの後発品が多く販売されているなかで今回、東和薬品を相手に訴訟を提起した理由は、非開示。
興和は15年10月30日付で、東和薬品に対して今回と同様の理由で特許を侵害しているとしてピタバスタチンCa・OD錠4mg「トーワ」の製造販売の差し止めを求める訴訟を東京地裁に提起した。興和によると、東京地裁は興和の請求を全面的に認める判決を下したという。その後、東和薬品による知財高裁への控訴は棄却され、19年2月14日付で東和薬品による最高裁への上告受理申立ても不受理となり、製造販売の差し止め判決は確定した。
■東和薬品 「特許自体が無効」 特許庁に無効審判請求
一方、東和薬品は、「先行文献等から、興和の特許自体が無効であることから、特許庁に対し、特許の有効性そのものを争う無効審判請求をしているところ」と説明した。結論が出ていないため、同社は現在も後発品の販売を続けている。