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楽天メディカル ADCアキャルックス用いた光免疫療法 3施設で治療開始 今春に15施設追加

公開日時 2021/02/09 04:51
楽天メディカルジャパンは2月8日、世界初の頭頸部がんの光免疫療法に用いる抗体薬物複合体・アキャルックス点滴静注(一般名:セツキシマブ サロタロカンナトリウム(遺伝子組換え))の販売を開始した。3病院で同剤を用いた光免疫療法による治療を開始したことも発表した。治療開始施設は、▽愛知県がんセンター病院▽国立がん研究センター東病院▽東京医科大学病院――。今春までに少なくとも15施設で同治療を開始する予定としている。

アキャルックスはがん細胞を壊死させる新しい局所治療に用いる医薬品で、EGFRを標的とするモノクローナル抗体のセツキシマブと、光感受性物質であるフタロシアニン誘導体(IR700NHSエステル)が結合した抗体薬物複合体(ADC)。同剤投与後に専用の医療機器「BioBladeレーザシステム」でレーザ光を病巣部位に照射すると、腫瘍細胞の細胞膜上に発現するEGFRに結合した同剤が励起され、腫瘍細胞を傷害する。

同剤投与下におけるレーザ光照射(以下、光免疫療法)は、ニボルマブやセツキシマブなどによる治療が行われている切除不能な局所進行または局所再発の頭頸部がん患者が対象となる。

■治療開始予定15施設 8~9割の医師が講習受講済

光免疫療法は、適正使用のための講習会を受講した十分な知識・経験のある医師によって提供されることになっている。同社によると、今春までに光免疫療法の提供を開始予定の15施設の医師の8~9割は受講済みだという。新型コロナの影響で分散して受講しているため時間がかかっているが、春までに、開始予定の施設の医師全員が受講する予定だとしている。

今春までに光免疫療法を開始予定の15施設は、▽大阪国際がんセンター▽大阪大学医学部附属病院▽岡山大学病院▽関西医科大学附属病院▽九州大学病院▽京都大学医学部附属病院▽久留米大学病院▽神戸大学医学部附属病院▽埼玉医科大学国際医療センター▽東京医科歯科大学医学部附属病院▽鳥取大学医学部附属病院▽広島大学病院▽北海道大学病院▽宮城県立がんセンター▽横浜市立大学附属病院――となる(五十音順)。これらの施設は2月5日時点で施設名をオープンにして良いとの許諾を得た施設だといい、今春までに新たに“少なくとも15施設”で治療を開始予定ということになる。

同社の三木谷浩史会長は、20年9月の承認取得以降、1日でも早く上市できるよう関連学会と連携しつつ、各医療機関の協力を得ながら準備を進めてきたと振り返った上で、「本医薬品および医療機器を用いた新しい治療を患者様にお届けできること、ならびに実際に治療を受けられる医療機関についてお知らせできる日がきたことを、実に感慨深く、うれしく思う」とコメントした。

なお、同社は専用のレーザシステムを20年12月に、アキャルックスを21年1月1日に発売した。今回、発売開始から約1か月後の販売開始の案内となった。同社によると、20年9月の同剤の承認取得後から、同剤を用いた光免疫療法を受けられる施設に関する問い合わせが多く寄せられていたという。そこで、全国的に治療開始施設、治療開始予定施設が公表できる段階で同剤発売の案内も同時に行うことにしたため、発売関係のアナウンスが2月になったとしている。
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