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AZ SGLT2阻害薬フォシーガ 「慢性腎臓病」の効能追加を一変申請

公開日時 2020/12/15 04:49
アストラゼネカは12月14日、糖尿病治療などに用いるSGLT2阻害薬フォシーガ錠(一般名:ダパグリフロジンプロピレングリコール水和物)について、慢性腎臓病の効能・効果を追加する一変申請を行ったと発表した。現在、慢性腎臓病を効能・効果とする治療薬はない。

今回の申請は、日本を含む国際共同第3相試験(DAPA-CKD試験)の結果に基づくもの。同試験は日本を含む21か国で、2型糖尿病の合併の有無に関わらない4304例の慢性腎臓病患者(eGFR25 以上75未満、かつアルブミン尿の増加が確認された患者)を対象に実施した、SGLT2 阻害薬では初めての腎アウトカム試験。

フォシーガ10mg1日1回を慢性腎臓病の標準治療に追加投与し、有効性と安全性をプラセボと比較検討した。その結果、腎機能の悪化、心血管死、腎不全による死亡のいずれかの発生による主要複合評価項目の発現リスクを、プラセボと比較して39%低下させた(p<0.0001)。この結果は2型糖尿病合併の有無に関わらず一貫していたという。

フォシーガの安全性および忍容性は、同剤の確立された安全性プロファイルと一致していた。同試験における重篤な有害事象の発現はプラセボ群で33.9%、フォシーガ群で29.5%――。糖尿病性ケトアシドーシスの発現はプラセボ群で2例、フォシーガ群では報告されなかった。同試験は当初の想定を上回る結果が出たため、独立データモニタリング委員会の勧告に従い、早期に終了した。

慢性腎臓病は腎機能が低下することで起こる進行性の疾患。国内患者数は1330万人と推定されるが、その多くは未診断の状態にある。慢性腎臓病は、透析のリスク要因であるだけでなく、心不全をはじめとした心血管疾患の発症リスクを増加させるため、早期の診断・治療により進行を抑制することが重要となる。

フォシーガは日本で現在、▽2型糖尿病▽1型糖尿病▽慢性心不全(ただし、慢性心不全の標準的な治療を受けている患者に限る)――の効能・効果で承認されている。
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