富士製薬 月経困難症用薬「FSN-013」をエムスリーと共同開発・共同販売 24年上市へ
公開日時 2020/11/13 04:50
富士製薬とエムスリーは11月12日、富士が開発中の月経困難症治療薬「FSN-013」(開発コード、一般名:エステトロール/ドロスピレノン配合剤)について、日本で共同開発・共同販売する契約を締結したと発表した。開発フェーズでは、開発費の一部をエムスリーが負担するほか、エムスリーグループのCRO機能を用いた開発を行う。承認取得・上市後は、富士のMR約210人による情報提供・収集活動に加えて、エムスリーが提供する「MR君」などのe-プロモーションサービスによる営業支援や、m3.com医師会員のインサイトやビッグデータを活用したマーケティング支援を行う。
同剤は、富士がベルギーのMithra Pharmaceuticals社から2016年に導入したもの。富士は日本とASEANの開発・販売権を持つ。同剤は天然型エストロゲンが起源の新薬で、日本では臨床第2相試験まで終了している。富士は24年の上市を計画している。なお、欧米では承認申請中。
今回の契約に基づき、エムスリーは15億円を上限に開発費の一部を負担する。また、エムスリーグループのメディサイエンスプランニングを中心に、治験サービスや薬事申請コンサルティングなどを提供する
承認取得・上市後は、エムスリーは「MR君」やWeb 講演会といったプロモーション関連サービスのほか、医師会員のインサイトやビッグデータの活用などにより、「より上流の戦略立案まで踏み込んで付加価値を提供する」(エムスリー)としている。エムスリーは上市後の売上に応じたロイヤルティを受け取る。
富士は、今回の取り組みは「DX(デジタルトランスフォーメーション)推進の一環」とした上で、「開発の確実性を更に向上させるとともに、共同販売の取り組みを通じて本剤をより多くの患者さんにお届けできるものと考えている」としている。
エムスリーにとっては、開発から上市後までをパッケージにした契約締結は今回が初めて。「成功報酬型のプロジェクトとして、共同で販売を行う」としている。