日本医師会・中川会長 新型コロナの感染拡大「第3波と考えてよいのでは」
公開日時 2020/11/12 04:50
日本医師会の中川俊男会長は11月11日の定例会見で、新型コロナの感染再拡大を受け、「第3波と考えてもよいのではないか」との見解を示した。そのうえで、「感染者の急増が続けば、全国で医療提供体制がひっ迫するのは明らか」と危機感を露わにし、国に全国的な対応を求めた。
中川会長は、今後、インフルエンザの流行期と重なるほか、年末年始という国民行事も控える。中川会長は、「さらなる感染拡大への警戒と経済活動の両立を求められているが、国に対しては地域の感染拡大の兆候をできるだけ早期に発見し、先手をうってほしい」と訴えた。
現在は、北海道や東京都など、特定地域の感染者急増が目立つが、「特定の地域の問題としてではなく、国全体として、国民全体で一致団結して防いでほしい。日本医師会はその中心となって頑張っていきたい」と語った。
◎東京317人、大阪256人、北海道197人の感染者を確認
なお、11日は、東京都で317人、大阪で256人、北海道で197人の感染者が確認されるなど、感染が再び拡大するフェーズに入っている。
同日開かれた厚労省の新型コロナウイルス感染症対策アドバイザリーボード(座長:脇田隆字・国立感染症研究所長)でも、「10月以降増加傾向となり、11月以降その傾向が強まっている。特に、北海道や大阪、愛知を中心に増加がみられ、全国的な感染増加につながっている」と指摘。感染拡大のクラスターとして、地方都市の歓楽街、会食や職場、外国人コミュニティー、医療機関や福祉施設など多様化していることも指摘。「一部の地域では感染拡大のスピードが増しており、感染の減少要因を早急に強める必要がある。このまま放置すれば、更に急速な感染拡大に至る可能性がある」と警鐘を鳴らしている。