三和化学 血液透析下の二次性副甲状腺機能亢進症治療薬ウパシカルセトを承認申請
公開日時 2020/08/26 04:50
三和化学研究所は8月25日、血液透析下における二次性副甲状腺機能亢進症治療薬・ウパシカルセトナトリウム水和物(一般名、開発コード:SK-1403)を日本で承認申請したと発表した。申請は同日付で、2021年度の承認取得・上市が期待される。
ウパシカルセトは透析回路から投与する注射薬。同社は、「透析患者さんは飲水量が厳しく制限されている中で、多くの薬を内服することが負担になっている」と指摘。同剤は注射薬ということで、「患者さんへの内服の負担がなく、確実な投与が期待される」としている。透析回路から投与する二次性副甲状腺機能亢進症治療薬としては、小野薬品が製造販売元のパーサビブ静注透析用(一般名:エテルカルセチド塩酸塩)がある。
二次性副甲状腺機能亢進症は、慢性腎臓病の進行に伴って発症する合併症のひとつで、副甲状腺から副甲状腺ホルモン(PTH)が過剰に分泌される病態。PTHが過剰に分泌されると骨からリンおよびカルシウムの血中への流出が促進され、結果、骨折や、心血管系への石灰化による動脈硬化などの発症リスクが高まり、生命予後に影響を及ぼすことが報告されている。
ウパシカルセトは副甲状腺のカルシウム感知受容体(CaSR)に作用してPTHの過剰な分泌を抑制する。旧味の素製薬(現EAファーマ)の創製品で、三和化学は2014年に味の素から日本での独占的な開発・販売権を取得し、開発した。承認取得後は三和化学が単独で販売及び情報提供・収集活動を行う予定。
三和化学は糖尿病・腎疾患領域に経営資源を集中しており、ウパシカルセトの承認取得・上市により、同領域の製品ラインナップを強化する。