厚労省 添付文書改訂を指示 抗がん剤ベバシズマブ、重大な副作用に「動脈乖離」を追記
公開日時 2020/06/17 04:52
厚生労働省医薬・生活衛生局は6月16日、重大な副作用などが判明した医療用医薬品の添付文書を改訂するよう、日本製薬団体連合会に医薬安全対策課長通知で指示した。改訂指示があったのは抗がん剤ベバシズマブとそのバイオシミラー(BS)、認知症治療薬メマンチンの2成分となる。ベバシズマブとそのBSは重大な副作用に「動脈乖離」を追記、メマンチンは重大な副作用に「完全房室ブロック、高度な洞徐脈等の徐脈性不整脈」を追記することになった。
添付文書の改訂指示があった医薬品は次の通り。カッコ内は販売名/承認取得者。
▽ベバシズマブ(遺伝子組換え)とバイオ後続品(アバスチン点滴静注用/中外製薬、ベバシズマブBS点滴静注「ファイザー」/ファイザー、ベバシズマブBS点滴静注「第一三共」/第一三共)
薬効分類:429 その他の腫瘍用薬
指示概要:「重大な副作用」の項に「動脈乖離」を追記する。
過去3年間の国内報告数のうち、医薬品と動脈乖離関連症例(事象)との因果関係が否定できない症例は1例。うち医薬品と事象による死亡との因果関係が否定できない症例は0例。
改訂理由:国内症例が集積したことから、専門委員の意見も踏まえ、改訂することが適切と判断した。
▽メマンチン塩酸塩(メマリー錠、同OD錠、同ドライシロップ/第一三共 など)
薬効分類:119 その他の中枢神経系用薬
指示概要:「重大な副作用」の項に「完全房室ブロック、高度な洞徐脈等の徐脈性不整脈」を追記する。
過去3年間の国内報告数のうち、医薬品と徐脈性不整脈関連症例(事象)との因果関係が否定できない症例は2例。うち医薬品と事象による死亡との因果関係が否定できない症例は0例。
改訂理由:国内症例が集積したことから、専門委員の意見も踏まえ、改訂することが適切と判断した。