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キッセイ薬品 ピートルの情報提供に木村情報と共同開発した「AI-Detail」導入 新たな情報提供ツール

公開日時 2020/06/09 04:51
キッセイ薬品は6月8日、高リン血症治療薬ピートルの情報提供に木村情報技術と共同開発した「AI-Detail(アイ-ディテール)」を活用すると発表した。製品サイト(医療従事者向け)からキーワードを検索すると、関連するスライドが表示され、音声でその内容を紹介するというもの。例えば医師が「副作用」を検索すると、患者背景、長期投与時、臨床試験段階など10種類の副作用に関するスライドが表示され、医師がそれらを選んでクリックすると音声説明が流れる仕組み。同社は、AI(人工知能)を用いたオートメーションディテールシステムとして、MRによる面談や、くすり相談センターの対応に加え、新たな情報提供ツールとして活用したい考えだ。

「AI-Detail」は、視覚のみの資材による情報提供から、視覚と聴覚を組み合わせて、医療従事者が求める必要な情報に合わせたコンテンツをPCの画面上に表示しながら、音声で情報提供できる。多忙を極める医療従事者に適時・適切な情報を提供するツールとして開発された。キッセイ薬品は、今回のピートルでの実用化を皮切りに、順次対象製品を拡大していく考えだ。

◎「検索」と「おすすめプレゼン」を選択 音声説明は2倍速も可

同社の製品サイトから「AI-Detail」をクリックすると、「利用規約」(医療従事者向け)の同意を経てDetail選択の画面に入る。画面には、「検索」と「おすすめプレゼン」が選択でき、おすすめプレゼンに進むと、高リン血症患者の生命予後と題するスライドが表示される。説明を聴くというボタンをクリックすると、音声説明が始まる。説明は5分あまり。再生速度を2倍速にあげても、その内容をクリアに聞き取ることができる。視聴後には、「Good」、「Bad」で内容を評価できるほか、コメントを記入する欄もあり、その後のMRによるフォローに活用することもできる。

一方、Detail選択の画面から「検索」に進むと、知りたい情報の入力欄がある。例えば、知りたい情報1に「副作用」と入力し、知りたい情報2に「下痢」を入力して、検索すると11項目のスライドが表示される。こちらも同様に、スライドを選択し、説明を聴くというボタンをクリックすると、音声による説明が流れる。いずれも説明スライドの最後の1枚は、キッセイ薬品プロモーション連絡窓口のフルーダイアルが表示される仕組みとなっている。

◎製品情報概要等の作成要領に準拠 「時間と場所に限定されず必要情報を収集」

説明のスライドは、製薬協の「医療用医薬品製品情報概要等に関する作成要領」に準拠されたものでルールに沿ってセットされている。同社としては、「時間と場所に限定されることなく、必要とする情報が得られるようになり、製品の適正使用にもつながるものとして期待している」とした。

新型コロナウイルス感染症で在宅勤務を余儀なくされていたMR活動ではあるが、その動きも徐々にではあるが解除されつつある。AI-Detailを今後のMR活動に活かし、医師や薬剤師など医療従事者の知りたいニーズに、きめ細かく対応できる活用に努める方針だ。


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