キッセイ薬品 24年度通期予想を売上高865億円に上方修正 ベオーバや新薬4製品が業績けん引
公開日時 2024/11/06 04:50
キッセイ薬品は11月5日、2024年度第2四半期決算を発表し、売上高は前年同期比14.8%増の424億6600万円、営業利益は11.6%減の17億8100万円だった。最主力品の過活動膀胱(OAB)治療薬ベオーバのほか、22年度以降に発売した新薬4製品の伸長により増収となった。通期予想でも医薬品事業が引き続き業績を牽引すると見込み、売上高は期初予想の830億円から865億円(前期比14.4%増)、営業利益は42億円から50億円(24.5%増)へとそれぞれ上方修正した。
上期の主要製品の売上では、ベオーバが前年同期度比24.1%増の87億9300万円と、計画の84億円を上回り伸長。顕微鏡的多発血管炎(MPA)・多発血管炎性肉芽腫症(GPA)治療薬・タブネオスは97.3%増の42億2400万円▽23年12月発売の透析そう痒症治療薬・コルスバは22億5100万円▽慢性特発性血小板減少性紫斑病(ITP)治療薬・タバリスは218.6%増の9億8400万円▽潰瘍性大腸炎治療薬・カログラは7.2%増の6億2700万円―と22年度以降発売された製品群も堅調に伸び、増収に貢献した。
◎急性骨髄性白血病治療薬の導入やRNA標的の共同研究 積極投資で研究開発費増加も
また、上期には米バイオテクノロジー企業からの急性骨髄性白血病治療薬・オルタシデニブの導入や、リボルナバイオサイエンス(本部:神奈川県藤沢市)との遺伝性希少疾患領域でのRNAを標的とした共同研究を発表。積極的な投資により研究開発費が増加し、中間期時点では減益となったが、通期では増益を見込んだ。
◎リンザゴリクス 国内P3試験で主要評価項目達成 欧州では販売開始
研究開発では、自社創製品のリンザゴリクス(開発コード:KLH-2109)が子宮筋腫を適応症とした2つの国内第3相臨床試験で主要評価項目を達成し、申請を準備中。欧州では導出先の英国・セラメックス社が子宮筋腫を適応症として9月に発売し、子宮内膜症の効能追加に向けた承認審査も進められている。韓国への導出も決まったとし「国内外で大きな進捗があった」と振り返った。
同社は「引き続き国内医薬品の売上拡大と海外収益の獲得により利益拡大を図るとともに、将来のさらなる成長へ向けて研究開発とライセンス活動を積極的に行っていく」としている。
【連結業績 (前年同期比) 通期予想(前期比)】
売上高424億6600万円(14.8%増) 865億円(14.4%増)←修正前830億円
営業利益17億8100万円(11.6%減) 50億円(24.5%増)←修正前42億円
親会社帰属純利益52億4900万円(7.6%減) 117億円(4.8%増)←修正前113億円
【国内主要製品売上(前年同期実績)通期予想、億円】
ベオーバ 87.93(70.87)182←修正前175
タブネオス 42.24(21.41)88←修正前70
ピートル 23.61(27.70)48←修正前53
コルスバ 22.51(―)47←修正前36
ダルベポエチンアルファBS 19.41(20.90)36
ミニリンメルト他 18.22(18.85)34←修正前32
グルベス、グルファスト 17.03(19.83)33
タバリス 9.84(3.08)25
エポエチンアルファBS 9.62(12.48)18
カログラ 6.27(5.85)16←修正前18
ユリーフ 6.47(10.87)13←修正前14
マリゼブ 4.96(5.49)11