第一三共 抗体薬物複合体エンハーツ HER2陽性胃がんの効能追加を国内申請
公開日時 2020/05/08 04:50
第一三共は5月7日、抗HER2抗体薬物複合体のエンハーツ(一般名:トラスツズマブ デルクステカン)について、サードライン以降のHER2陽性胃がんの効能追加を日本で申請したと発表した。申請は4月28日付。エンハーツの同適応について、厚労省から先駆け審査指定を受けている。
今回の申請は、トラスツズマブを含む2つ以上の前治療を受けたHER2陽性の進行・再発胃がん患者または胃食道接合腺がん患者189例を対象に日韓で実施したフェーズ2「DESTINY-Gastric01」と、日米で実施したフェーズ1の結果に基づくもの。
同社によると、DESTINY-Gastric01試験では、エンハーツは治験医師選択薬投与群(イリノテカンまたはパクリタキセル)に対し、主要評価項目である客観的奏効率(ORR)において、「統計学的に有意かつ臨床的意義の高い改善」を示した。副次評価項目に据えた全生存期間(OS)については、中間解析で「統計学的に有意かつ臨床的意義の高い改善」を示したとしている。
安全性については、薬剤と因果関係のある肺臓炎を含む間質性肺疾患(ILD)については、グレード3は2例、グレード4は1例で、グレード5(死亡例)はなかった。グレード1または2が大半だったとしている。米FDAは、添付文書に、枠組み警告でILDを記載し、注意を呼びかけている。同社はこのほかに、「安全性上の新たな懸念は認められなかった」としている。