【速報】19年9月薬価本調査 平均乖離率約8.0% 内用薬は9.2% 卸談合疑惑の販売データ除外
公開日時 2019/12/04 09:20
厚生労働省保険局医療課は12月4日午前の中医協総会に、2019年9月取引分の薬価調査での平均乖離率は約8.0%だったことを報告した。市場実勢価格に基づき調整幅を2%差し引くと、平均6%の薬価引き下げとなる。2018年度薬価・診療報酬改定における薬価調査(17年9月取引分)の約9.1%から、1.1ポイント縮小した。なお、19年10月の消費増税改定における薬価調査(18年9月取引分)の平均乖離率は約7.2%だった。
文末の「関連ファイル」に、09年以降の医薬品価格調査の速報結果の推移のデータを掲載しました(会員のみダウンロードできます)。
今回の薬価調査では、アルフレッサ、メディセオ、スズケン、東邦薬品の4大卸と57病院を運営する独立行政法人地域医療機能推進機構(JCHO)への販売データを除外し、市場実勢価格を算出した。薬価調査報告前の11月27日、57病院を運営する独立行政法人地域医療機能推進機構(JCHO)が発注した医療用医薬品の入札をめぐり、アルフレッサ、メディセオ、スズケン、東邦薬品の4大卸の談合疑惑が発覚したため。29日の中医協総会では、支払側が薬価調査の結果に懸念を示しており、波紋が広がっていた。厚労省医政局経済課の林俊宏課長は、中医協総会の冒頭で談合疑惑について触れ、「現在も調査は進められている状況で事実認定されていない現状だが、疑いが事実であれば公正自由な価格形成を阻害する行為であり、医薬品卸を所管する立場から誠に遺憾」と述べた。
19年調査による投与形態別の乖離率は、内用薬9.2%(18年調査=8.2%、17年調査=10.1%)、注射薬6.0%(同5.2%、7.2%)、外用薬7.7%(同6.6%、8.2%)。
主要薬効群別の乖離率は以下のとおり(カッコ内は18年調査、17年調査)。
内用薬:▽その他の腫瘍用薬5.1%(同5.1%、6.6%)▽糖尿病用剤9.9%(同8.6%、10.6%)▽血圧降下剤13.4(同11.7%、13.3%)▽他に分類されない代謝性医薬品9.0%(同8.0%、9.5%)▽精神神経用剤10.0%(同8.1%、10.8%)▽消化性潰瘍用剤12.3%(同10.8%、13.1%)▽その他の中枢神経系用薬8.6%(同7.9%、9.5%)▽高脂血症用剤13.9%(同12.2%、12.7%)▽血液凝固阻止剤5.6%(同5.1%、-%)▽抗ウイルス剤6.4%(同6.0%、5.8%)
注射薬:▽その他の腫瘍用薬5.0%(同4.3%、6.0%)▽他に分類されない代謝性医薬品6.3%(同6.0%、7.8%)▽血液製剤類3.3%(同2.3%、3.6%)▽その他のホルモン剤(抗ホルモン剤含む)7.8%(同6.5%、8.4%)▽眼科用剤5.3%(同-%、-%)
外用薬:▽眼科用剤8.0%(同6.8%、7.8%)▽鎮痛・鎮痒、収斂、消炎剤8.9%(同7.6%、9.3%)▽その他の呼吸器官用薬6.8%(同6.0%、7.6%)
後発品の数量シェアは約76.7%(同約72.6%、約65.8%)だった。