PMDA 抗てんかん薬ラモトリギンの用法・用量遵守を 不適正使用が後絶たず
公開日時 2019/10/25 03:50
医薬品医療機器総合機構(PMDA)は10月23日、抗てんかん薬ラモトリギン(一般名、先発品はラミクタール)について、医療従事者に対し、用法・用量を遵守するよう注意喚起した。定められた用法・用量を超えて投与した場合に皮膚障害の発現率が高くなる。このため、2015年2月に安全性速報(ブルーレター)を出すなどこれまでに複数回、注意喚起がなされているが、「不適正使用と判断されるものが、未だに後を絶たない」ことから今回、改めて適正使用のお願いを発出した。
PMDAは今回、▽投与開始時に定められた用量を超えないこと▽定められた増量の時期を早めないこと――と用法・用量を遵守するよう求めた。添付文書に準じて患者に重篤な皮膚障害について服薬指導することも求めた。
17年11月~18年10月までに報告されたラモトリギンの重篤皮膚障害は104件だった。用法・用量の遵守状況を確認できる症例は58症例あり、うち19例は不適正使用だった。
用法・用量を遵守せずに重篤な皮膚障害を生じた症例などは、基本的に医薬品副作用被害救済制度においても適正な使用とは認められず、救済の支給対象にならない。14年度~18年度に医薬品副作用被害救済制度での不適正使用による不支給事例は235件あったが、このうちラモトリギンが92件で、全体の約4割を占めている。
ラモトリギンの用法・用量は、効能・効果や併用する薬剤により、投与量や増量間隔が細かく規定されている。