エンレストの高血圧適応 医師の9割が「処方増やす」
医師の74%、他剤で効果不十分の症例の“第一選択”に
公開日時 2024/07/01 00:00
2020年6月に慢性心不全治療薬として上市したアンジオテンシン受容体ネプリライシン阻害薬(ARNI)エンレスト錠(一般名:サクビトリルバルサルタン)は、21年9月に高血圧症に対する効能追加を取得した。ARNIとしては国内初の高血圧治療薬だ。効能・効果には「高血圧症」のみの記載となっているが、関連する注意事項として「過度な血圧低下のおそれ等があり、原則として本剤を高血圧治療の第一選択薬としないこと」と明記されており、実質的にはCa拮抗薬、ARB、ACE阻害薬などによる治療が効果不十分、または治療強化での使用が想定されている。ARNIはネプリライシン(NEP)とレニン・アンジオテンシン・アルドステロン系(RAAS)を同時に阻害・抑制するという特徴を有するが、効能追加から3年弱を経て同剤を処方した...