エンレストの高血圧症適応 処方増意向9割、「第一選択薬」7割に
過降圧や電解質異常への懸念で投与に慎重を期す声も
公開日時 2023/12/01 00:00
2020年8月に慢性心不全治療薬として発売されたアンジオテンシン受容体・ネプリライシン阻害薬(ARNI)のエンレスト(一般名:サクビトリルバルサルタンナトリウム水和物)。翌21年9月には「高血圧症」の効能追加が承認され、同疾患に対する治療選択肢が増している。ARNIはネプリライシン阻害薬とアンジオテンシン2受容体拮抗薬(ARB)の複合体的な薬剤である。ネプリライシン(NEP)とレニン・アンジオテンシン・アルドステロン系(RAAS)を阻害することで、前者では生理活性を有するナトリウム利尿ペプチドの作用増大により血管拡張、利尿、交感神経系抑制、心肥大抑制などの多面的に働きを示すとともに、後者ではアンジオテンシン2によって引き起こされる血管収縮、体液貯留、交感神経活性が抑制され、降圧へと導く。また...