鎮咳薬アスベリンと不整脈用薬アスペノン 販売名類似による処方誤りで注意喚起
公開日時 2019/09/03 03:52
ニプロESファーマとバイエル薬品は、ニプロが製造販売している鎮咳薬アスベリン錠(一般名:チペピジンヒベンズ酸塩)とバイエルが製造販売している不整脈治療薬アスペノンカプセル(同アプリンジン塩酸塩)について、販売名類似による処方誤りが急増しているとして、医療機関に対し注意喚起している。この情報は9月2日に医薬品医療機器総合機構(PMDA)から配信された。
両社による注意喚起の文書によると、両剤の販売名類似による処方誤りのヒヤリ・ハット事例の報告は年1件程度だったが、18年以降は22件(19年8月5日時点)に急増しているという。
具体的なヒヤリ・ハット事例としては、例えば、▽風邪薬の処方の中にアスペノンの処方があり、処方ミスの疑いを持ち疑義照会したところ、処方せん発行元の入力ミスであることが判明。正しい薬(アスベリン)に変更となった▽患者に新しくアスベリン錠10mgが出ており、患者から話を聞いてみると特に咳は出ておらず、不整脈であることを確認。疑義照会したところ、アスベリン錠10mgではなくアスペノンカプセル10mgであることが発覚した――というものだった。
両社は「処方誤りは健康被害を引き起こすリスクがある」として、アスベリンまたはアスペノンを処方・調剤する際には、いま一度、販売名と効能・効果を確認してもらいたいとしている。処方時に薬剤オーダリングシステムなどを使用している場合は、名称の前に薬効分類名を記載する、再確認を徹底するといった予防策を実施するなどし、誤処方防止につなげてもらたいとしている。