医療用薬6製品 効能追加などで承認 武田のエンタイビオに「クローン病」
公開日時 2019/05/23 03:50
医療用薬6製品は5月22日、効能・効果の追加などの承認を取得した。武田薬品の潰瘍性大腸炎治療薬エンタイビオ点滴静注用(一般名:ベドリズマブ(遺伝子組換え))の効能・効果にクローン病を追加した。
承認された製品は以下のとおり(カッコ内は一般名、申請企業名)。
▽エンタイビオ点滴静注用300mg(ベドリズマブ(遺伝子組換え)、武田薬品):効能・効果に「中等症から重症の活動期クローン病の治療および維持療法(既存治療で効果不十分な場合に限る)」を追加。
同剤は、18年7月に「中等症から重症の潰瘍性大腸炎の治療及び維持療法(既存治療で効果不十分な場合に限る)」を効能・効果で承認された。追加されるクローン病にも同じ用法・用量で使用する。
同剤は炎症を起こしている腸管組織に炎症性細胞の一種であるTリンパ球の遊走を阻害することで、炎症を軽減するようデザインされているヒト化抗ヒトα4β7インテグリンモノクローナル抗体。
▽ビクトーザ皮下注18mg(リラグルチド(遺伝子組換え)、ノボ ノルディスクファーマ):効能・効果の「2型糖尿病」に新たな用法・用量として、効果不十分な場合に増量できるようにした。
現在は0.9mgを最高用量としているが、今回「1日0.9mgで効果不十分な場合には、1週間以上の間隔で0.3mgずつ最高1.8mgまで増量できる」を新たに定める。同剤は、2型糖尿病に対し、1日1回皮下投与するヒトGLP-1アナログ製剤。2010年1月に承認された。
▽ブロプレス錠2、同4、同8、同12(カンデサルタン シレキセチル、武田テバ薬品)
▽カンデサルタン錠2㎎、同4mg、同8mg、同12mg「あすか」(同、あすか製薬)
:効能・効果の「高血圧症」に小児の用法・用量を追加。
1歳以上6歳未満には1日1回0.05~3mg/kgを経口投与。6歳以上には1日1回2~8mgを経口投与し、必要に応じ12mgまで増量できるようにした。成人用量は1日1回4~8mg。
ブロプレス錠は、厚労省の「医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議」で小児の用法用量について公知申請が妥当と判断されていた。あすか製薬の製品はオーソライズドジェネリック(AG)。
▽アクテムラ点滴静注用80mg、同200mg、同400mg(トシリズマブ(遺伝子組換え)、中外製薬):「既存治療で効果不十分な成人スチル病」を効能・効果に追加し、用法・用量を定めた。
成人スチル病に対する初の生物製剤。類似疾患である全身型若年性突発性関節炎(sJIA)に対する医薬品には、イラリス皮下注(カナキフマブ(遺伝子組換え))がある。成人スチル病は国の指定難病で、国内の患者は約4800人。同社によると、副腎皮質ステロイドを用いた炎症の抑制が標準治療となっているが、ステロイド抵抗性の難治例に対して保険適用のある薬剤がなかった。
▽ポマリストカプセル1mg、同2mg、同3mg、同4mg(ポマリドミド、セルジーン):「再発または難治性の多発性骨髄腫」に対し、デキサメタゾンとボルテゾミブとの3剤併用の用法・用量を追加。
現在承認されているのはデキサメタゾンとの2剤併用。3剤併用で再発患者の治療選択肢を増やす。