持田・19年度計画 減収、2ケタ減益を想定 連続薬価改定で
公開日時 2019/05/14 03:50
持田製薬は5月13日、2020年3月期(19年度)の連結業績が減収、2ケタ減益になると発表した。18年12月に後発品が参入した疼痛薬トラムセットをはじめとする長期収載品の減収に加え、19年10月の消費税率引き上げに伴う薬価改定、20年4月の薬価改定を前にした19年度第4四半期の買い控えが19年度業績に大きく影響すると指摘している。
19年度の計画は、売上1030億円(前期比6.1%減)、営業利益77億円(同27.3%減)、親会社帰属純利益58億円(同31.2%減)――と見込んだ。特にトラムセットは18年度に202億円を売り上げたが、19年度は81億円、60%減になる計画をたてた。次の新薬を投入するため、研究開発投資を積極的に進める。
◎18年度は増収減益 研究開発費増加で利益圧迫
19年3月期(18年度)の連結業績は売上が前年度比2.7%増の1096億4300万円、営業利益は9.2%減の105億9000万円となるなど増収減益だった。抗うつ薬レクサプロや潰瘍性大腸炎治療薬リアルダなどの新薬群が好調だった一方で、利益面は薬価改定による原価率の上昇に加え、研究開発費の増加が利益を圧迫した。
製品別売上高は、リアルダが164%増の68億円となったほか、レクサプロ(自社販売と田辺三菱製薬への販売の合算)も10%増の150億円。後発品も11%増の197億円となった。一方、高脂血症・閉塞性動脈硬化症治療薬のエパデールは21%減の145億円、子宮内膜症・子宮腺筋症治療薬のディナゲストも61%減の18億円だった。
【18年度連結業績(前年同期比) 19年度予想(前年同期比)】
売上高 1096億4300万円(2.7%増) 1030億円(6.1%減)
営業利益 105億9000万円(9.2%減) 77億円(27.3%減)
親会社帰属純利益 84億3500万円(6.5%減) 58億円(31.2%減)
【18年度主要製品国内売上高(前年同期実績) 19年度予想、億円】
トラムセット 202(228)81
レクサプロ 150(137)161
エパデール 145(183)133
リアルダ 68(25)96
アテレック 54(67)42
ドキシル 27(6)29
ディナゲスト 18(48)16
トレプロスト 17(17)16
ヘパリンNa 15(16)15
グーフィス 13(-)47
アラセナ-A 12(15)12
フロリード 10(10)9
ミラクリッド 10(11)10
ベセルナ 10(9)8
モビコール 3(-)33
後発品 197(178)217