エーザイとバイオジェン 認知症治療薬で明暗 アデュカヌマブ中止で株価に影響
公開日時 2019/03/25 03:50
エーザイとバイオジェンは3月21日、アルツハイマー型認知症の適応取得を目指した、アデュカヌマブの2本の国際共同臨床第3相試験を中止すると発表した。22日には、両社が共同開発を進める抗アミロイドβ(Aβ)プロトフィブリル抗体「BAN2401」の国際共同臨床第3相試験「Clarity AD/301試験」をスタートしたことを発表した。ただ、市場は失望感から、エーザイ株の売りが膨らみ、前営業日比1500円(16.5%)安の7565円で22日、ストップ安となった。
中止されたアデュカヌマブの臨床第3相試験は、「ENGAGE」と「EMERGE」の2本の試験。プラセボを対照群に置き、主要評価に認知機能・臨床症状の低下抑制の効果を据えて検討されてきたが、独立データモニタリングコミッティーが行った無益性解析の結果、「主要評価項目が達成される可能性が低いと判断された」としている。なお、「安全性に関する問題によるものではない」としている。臨床第2相安全性試験の「EVOLVE」、臨床第1b相試験の「PRIME」の長期継続投与試験にも中止する。ただ、再発抑制をめぐり、予定されていた臨床第3相試験については、ENGAGE、EMERGEの結果をさらに評価した上で決定するとしている。
一方、スタートする、Clarity AD/301試験は、アミロイドの脳内蓄積が確認されたアルツハイマー病による軽度認知障害・軽度アルツハイマー病患者1566人が対象。主要評価項目は、CDR-SB(Clinical Dementia Rating Sum of Boxes)の変化。