EMAとFDA RWEの市販後の安全性活用などで相互協力を強化
公開日時 2018/07/03 03:50
欧州医薬品庁(EMA)と米食品医薬品局(FDA)は6月18から19日の2日間、ベルギー・ブラッセルで相互協力についての会議を開催し、リアルワールドデータ(RWD)・リアルワールドエビデンス(RWE)を市販後の医薬品の安全性監視に活用できることなどを確認し、活用の最適化などで相互協力を推進する方針を確認した。このほか、GMPの相互承認や先進医療、後発医薬品の普及促進などの分野についても合意がなされた。
両日の会議では、医薬品分野において現在実施されている協力分野の評価や今後の協力分野における戦略的優先度、および特定領域における今後の協力の強化などが討議された。両機関における医薬品分野における協力提携は2003年以降続けられている。両日の検討の結果、確認された方針は以下の通り
▽2017年11月に実施に移ったEUと米国間のGMP相互承認協定について。同協定は現在、米国とEU加盟14か国で施行されている。2019年7月19日までに全EU加盟国で施行予定である。EMAおよびFDAは、今後も同協定におけるGMP相互承認プロセスの合理化や相互承認のモニタリングなどを続行する
▽先進医療について、両機関とも遺伝子治療、再生医療、体細胞医療など先進医療の開発促進を支援するとともにこれら医療に係る行政上の変化に適切に対応する
▽後発品について、後発品やハイブリッド申請(EUにおける部分的に先発品=参照品のデータを使用する申請)の承認について米欧の法規制上の理解を深める。同時に、および後発医薬品の承認について科学的要件の合理化を模索する。また、後発品企業にはEMAとFDAが並行してアドバイスするほか、協力して製品特異的ガイドラインの策定を行う
▽RWEについて。EMAおよびFDAともにRWEが市販後の医薬品監視に役立つことを確認し、医薬品のライフサイクルにおける意思決定に大きなツールとなることに合意。RWEに関する専門知識の活用、RWEの使用を最適化する方法の模索などでの協力を図る