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田辺三菱 GE事業の田辺製薬販売をニプロに売却 10月1日

公開日時 2017/03/29 03:52

田辺三菱製薬は3月28日、後発医薬品(GE)事業の子会社である田辺製薬販売の全株式をニプロに売却すると発表した。売却額は非開示。10月1日に実施する予定。GE市場が拡大する中で競争が激化し、今後さらに事業環境は厳しさが増すとみられている。その中で田辺製薬販売は、売上高は伸び悩み、2014年度、15年度は損失を計上。田辺三菱はGE事業から撤退し、強化が迫られている新薬事業に注力することにした。GEを手がけるニプロは、シェア拡大、販売強化により競争力を高める考え。

田辺製薬販売は08年4月に設立され、15年度(16年3月期)売上高は138億1200万円、当期純利益は7億3600万円の損失。今回、同社に、田辺三菱製薬が扱う長期収載品の一部の12成分(15年度売上高約17億円)の製造販売承認を含む販売権、製造委受託契約、共同開発契約ほかの関連契約、在庫、商標権、著作権、安全管理情報のすべてを移管する。その上で田辺製薬販売の全株式を、田辺三菱はニプロに売却する。田辺三菱によると、田辺製薬販売の従業員129人(パート、派遣社員除く)、うちMR約100人は基本的にニプロへ移籍となるとしている。社名は変更予定だが、現時点では未定。

ニプロは今回、GE51成分(2017 年6月収載予定品目2成分含む)、長期収載品26成分(田辺三菱からの移管分12成分含む)、抗アレルギー薬タリオンのオーソライズド・ジェネリック(AG)を新たに扱うことになる。ニプロは、田辺のGEや長期収載品の受託製造などで関係があった。

田辺三菱は、今回の子会社売却の理由について「ジェネリック事業の最適化を検討した結果、市場での一層のシェア拡大と事業効率の向上が必須であり、自ら事業を継続するよりも、ジェネリック医薬品の豊富な開発経験と多様な生産体制を有するニプロに、ジェネリック医薬品事業及び長期収載品の一部を譲渡することで、医薬品の安定供給を効率的に継続できると判断した」としている。三津家正之社長は以前から、GE事業は「コアの事業ではない」としていた。

 
ニプロは、田辺製薬販売を買収することで▽取り扱い製品の拡充▽ブランド強化による更なる販売強化▽調剤薬局向け販売の更なる強化▽自社生産工場での生産による原価低減▽吉富薬品とのコ・プロモーションによる精神科領域の更なる強化--が期待されるとしている。
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