EAファーマ、キッセイ 潰瘍性大腸炎治療薬AJG511を国内申請 初の泡状の注腸製剤
公開日時 2016/11/07 03:50
エーザイの消化器事業子会社のEAファーマとキッセイ薬品はこのほど、共同開発していた潰瘍性大腸炎治療薬AJG511(開発コード)について、EAファーマが日本で承認申請したと発表した。申請日は10月28日。承認取得後は同一製品名で共同販売する。
潰瘍性大腸炎は大腸の粘膜に潰瘍などができる炎症性腸疾患のひとつで、腹痛、下痢、下血などにより著しいQOLの低下を余儀なくされる。日本では難病に指定され、国内に17万人以上の患者がいるとされる。
AJG511は、EAファーマがドイツのドクター ファルク ファーマ社から導入したもの。ブデソニドを有効成分とし、国内初の泡状の注腸製剤(=注腸フォーム製剤)となる。
局所作用型ステロイド薬であるため、ステロイドに起因する全身性の副作用の低減が期待できる。さらに泡状であるため、直腸及びS状結腸に到達した薬剤が局所に留まり、投与後に薬剤が漏れにくいとの特徴もあるという。両社は「本剤がより簡便で安全な局所治療薬のニーズに応えることができ、治療上の新たな選択肢になることを期待している」とコメントしている。
申請にあたり実施した国内フェーズ3試験は、活動期潰瘍性大腸炎患者を対象にAJG511のプラセボに対する優越性と安全性を検証したプラセボ対照無作為化二重盲検多施設共同並行群間比較試験。目標症例数は120例。主な選択基準は16歳以上の活動期の潰瘍性大腸炎患者とした。