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自民党特命委 医療保険制度関連7項目で議論 2017年度予算編成作業に着手

公開日時 2016/10/19 03:50

自民党の「社会保障制度に関する特命委員会」(委員長:野田 毅氏)の役員会が10月18日に開かれ、厚労省から医療保険制度関係の検討事項について説明を受けた。検討事項は、高額療養費の見直しなど7項目で、昨年12月に閣議決定した「経済・財政再生計画改革工程表」で年末までに結論を得ることが求められている。厚労省はこの日の役員会で、9月29日を皮切りに、社会保障審議会医療保険部会で順次論点を提示していると説明し、11月下旬から12月中旬にかけて「論点整理」を取りまとめる方向を示した。


この日の特命委役員会には、厚労省側から鈴木康裕保険局長、神田裕二医政局長らが出席した。厚労省が示した医療保険制度関係の検討事項は、①高額療養費の見直し、②後期高齢者の保険料軽減特例(予算措置)の見直し、③入院時の光熱水費相当額に係る患者負担の見直し、④子ども医療費助成に係る国保の減額調整措置の在り方、⑤金融資産等の保有状況を考慮に入れた負担の在り方、⑥かかりつけ医の普及の観点からの外来時の定額負担、⑦スイッチOTC化された医療用医薬品に係る保険償還率の在り方―の7項目。特命委としては、社保審医療保険部会の議論の推移を見守りながら、必要に応じて報告を求める考え。


なお、高額療養費の見直しについては、70歳以上の自己負担の上限額引き上げが社保審で議論となっているところ。70歳以上の現役並み所得(370万円以上)での負担引き上げが有力視されている。ただ、この層は1割にも満たないとみられ、財源としても100億程度にとどまるとみられている。2016年度から19年度までの3年間で社会保障費の自然増を1兆5000億円に抑制することが求められており、単年度でならすと5000億円への圧縮を目指すことになる。診療報酬改定のない中で、財源確保の難しさを指摘する声も出ており、2018年度の医療・介護同時改定への影響も懸念されている。


◎関係団体との調整もカギ


2017年度予算編成作業が与党・自民党を巻き込んでいよいよ本格化する。先週14日の経済財政諮問会議では「メリハリを効かせた歳出改革の推進に向けて」をテーマに、民間議員から医療・介護費の伸びの抑制と一人当たり医療費の地域差半減の推進などが提案さえた。加えて、高額薬剤問題で俎上に上っている抗がん剤・オプジーボの薬価について、「大胆な引下げ、効能追加などに伴う期中の再算定ルールの明確化」を実行すべきと迫っている。


この勢いそのままに財務省も社会保障費の自然増を6400億円から5000億円まで圧縮する方針を示しており、ここでの財源の手当てが2017年度予算編成に向けての最大の焦点となる。自民・公明の与党両党も年末の予算編成に向けて社会保障費の伸びの適正化に向けた施策の充実と財源の手当てという両面から議論を進める考え。厚労省が示した7項目をみても、高額療養費、外来時の定額負担、スイッチOTCなど、様々な関係者を巻き込んだ調整案件も数多く見られ、いよいよ利害関係者を巻き込んだ予算編成作業が本格化する。

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