小野薬品 多発性骨髄腫治療薬カイプロリス点滴静注用を新発売
公開日時 2016/09/08 03:51
小野薬品は9月7日、再発または難治性の多発性骨髄腫治療に用いるプロテアソーム阻害薬カイプロリス点滴静注用10mg、同40mg(一般名:カルフィルゾミブ)を8月31日に新発売したと発表した。レナリドミド、デキサメタゾンと併用して用いる。承認条件の全例調査を行う。薬価は10mgバイアルが2万3982円、40mgバイアルが8万6255円。
カイプロリスは同社が10年9月に米Onyx社(現アムジェン子会社)から導入したもの。プロテアソームは細胞内に存在する酵素複合体で、ポリユビキチン化されたタンパクを分解する作用があり、細胞の増殖、分化、機能的細胞死を制御している。カイプロリスはプロテアソームを阻害することで骨髄腫細胞の機能的細胞死を誘導する。
多発性骨髄腫は骨髄中の形質細胞の異常により引き起こされる血液がん。国内の総患者数は約1万8000人とされる。多発性骨髄腫の治療法は現在、複数あるが、寛解と再発を繰り返して進行する、もしくはどの治療法も有効ではなくなる難治性の病状に移行する場合が少なくない。長期的な治療では副作用や合併症が報告されており、新たな治療選択肢が期待されていた。