日本イーライリリーは、８月31日に予定されていた乾癬治療薬・トルツの薬価収載を取下げ、同日の発売を見送った。厚労省側と薬価の再申請に向けた協議を進める。取引卸には８月25日付の文面で、「発売日につきましては、決定次第連絡申し上げる」と打診していた。（本紙既報、記事はこちら）同社は、「薬価制度に則って処方制限なく、必要な患者さんに早くトルツによる治療をお届けしたいと考え、薬価の再申請に向けて当局との協議を進めている」とコメントしている。

トルツ皮下注80mgシリンジ、同皮下注80mgオートインジェクター（イキセキズマブ（遺伝子組換え））は、「既存治療で効果不十分な尋常性乾癬、関節症性乾癬、膿疱性乾癬、乾癬性紅皮症」を効能・効果として８月31日に薬価収載をすることが中医協で了承されていた。

同剤は、企業側からの要求により、外国平均価格調整による価格の引き上げが行われた結果、類似薬効比較方式で算定されたにもかかわらず、同種・同効薬のコセンティクス（ノバルティスファーマ）、ルミセフ（協和発酵キリン）の倍の１日薬価となっていた。同剤の薬価収載の可否を議論した中医協総会では、同種同効薬の、他のIL-17 製剤を使用しても効果が不十分な患者に限る、との条件付きで了承され、留意事項通知の発出も含めた処方制限が検討されていた。