EMA 認知症治療薬開発ガイドラインを改訂へ
公開日時 2016/02/18 03:50
欧州医薬品庁(EMA)は2月1日、アルツハイマー型認知症治療薬開発ガイドラインの改訂案を公表した。アルツハイマー型認知症を含む認知症の近年における研究の進展により、病態生理に対する理解が深まってきたことなどを考慮した。2016年7月31日を締め切りとして、ガイドライン案についての意見募集を開始した。
最近の研究では、臨床的症状が発現する10~20年前にすでに疾患の始まりといえる生物学的変化が現れることが示唆されているため、有効な薬剤を開発するには、治験薬をかなり早期に評価する必要がある。
EMAは、アルツハイマー型認知症を公衆衛生上の優先課題としてとらえており、治療薬の開発を促進させるため多くの関係者のアプローチを尊重するとしている。
改訂は、2014年11月に開催したワークショップでの、患者代表、規制官、医薬品業界および専門家などからのコメントに基づいて行われた。また、近年のアルツハイマー型認知症治療薬開発計画で提供された科学的勧告や臨床試験での患者選択を目的とするバイオマーカーの適格性なども組み込まれる予定だ。
ガイドライン改訂のポイントは以下の通り。
▽早期かつ無症候性ステージを含む治療薬の臨床試験デザインにおける新規の診断基準の影響
▽臨床試験アウトカムを測定する指標の選択、および異なった病期ステージを評価する明確なツール(異なった兆候・症候、時間経過における変化、重症度などの評価)
▽バイオマーカー使用の可能性およびバイオマーカーと医薬品開発の異なる段階における病期(ステージ)との関係(作用機序、診断検査のとしての使用、対象試験集団の改良、下位集団の層別化、安全性および有効性などにおけるマーカーの使用)
▽長期有効性および安全性試験のデザイン