キョーリン製薬 COPD治療用配合薬KRP-AB1102F 導入元のAZに返還
公開日時 2016/02/04 03:50
キョーリン製薬ホールディングスは2月3日、子会社の杏林製薬が日本で開発していたCOPD治療用配合薬「KRP-AB1102F」について、導入元の英アストラゼネカ(AZ)に返還することになったと発表した。キョーリンによると、杏林が同配合薬のフェーズ3試験まで実施し、その試験結果から「杏林としては開発を継続しない」との方針を決定、そしてAZとこのほど協議したところ、同配合薬をAZに返還することになったという。AZ広報部は本誌取材に、今後の開発方針について、「今後も国内開発していくかどうかは未定」とコメントした。
同剤は長時間作用性抗コリン薬(LAMA)のアクリジニウム臭化物と、長時間作用性β2刺激薬(LABA)のホルモテロールフマル酸塩を主成分とする配合薬。アクリジニウム臭化物単剤としては、杏林が製品名「エクリラ ジャヌエア」として15年5月から発売しており、エクリラについては引き続き杏林が販売する。
杏林は11年2月に、スペインのアルミラル社からアクリジニウム臭化物の単剤及び配合剤の国内開発・販売権を取得した。AZは14年11月にアルミラル社の呼吸器領域事業を買収している。
杏林とAZは単剤の契約はそのままに、配合剤についてのみライセンス契約を解消したことになる。契約解消は同日付で、杏林は試験結果や権利一式をAZに返還した。