【World Topics】思春期のいじめと成人後のうつ
公開日時 2016/01/08 03:50
思春期に学友等からいじめ被害にあっていた子どもは成人後に鬱病を発症しやすい。 英国の研究者等の調査研究から明らかになった。
http://www.bmj.com/content/350/bmj.h2469
子どものいじめ問題と社会人のうつ病が、ともに大きな社会問題となっている日本でも見過ごせない研究だろう。(医療ジャーナリスト 西村由美子)
研究は、13歳時点で学友等からのいじめ被害にあっていたと回答していた子ども6719人を対象に、18歳時点で調査を行った。18歳時点で3898人がうつ病と診断された。診断基準はICD-10に準拠した。
いじめの頻度とうつの発症率には相関が見られた。18歳時点でうつの診断を受けていたのは、13歳時点で頻繁に(週に1度以上)いじめられていた683人中のうち101人(14.8%)、時々いじめられていた1446人中では103人(7.1%)、たまにいじめられた1769人中では98人(5.5%)だった。
いじめで多かったのは名指しではやし立てられること(36%)、嘘の悪い噂を流すこと(16%)、殴るあるいは叩く(11%)、仲間はずれにする(10%)、誹謗中傷のメールやテキストをまく(9%)、したくないことを強いる(8%)、だます(8%)などなど各国共通の「よくある」内容だ。米国連邦政府のいじめ防止サイトにも共通だ。
http://www.stopbullying.gov/what-is-bullying/definition/
子どもいじめ防止は国家医療費の抑制という観点からも重大な課題である。