大塚製薬 抗精神病薬エビリファイ 小児期自閉症に伴う興奮性で効能追加申請
公開日時 2015/12/08 03:52
大塚製薬は12月7日、抗精神病薬エビリファイ(一般名:アリピプラゾール)について、日本で「小児期の自閉性障害に伴う興奮性」に対する効能追加申請を行ったと発表した。併せて、この適応症などに用いる1mg錠の剤型追加申請も行った。
米国で2009年にこの適応症が承認された。これを受けて11年に自閉症に関わる国内3学会(日本小児心身医学会、日本小児精神神経学会、日本小児神経学会)が医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議に開発要望し、厚労省が2012年に開発要請していた。
同社は日本で、自閉症と診断され行動障害(かんしゃく、攻撃性、自傷行為、これらの複合行為)のある興奮性を伴う自閉症患者(6~17歳)を対象にした臨床試験を実施し、有効性と安全性を証明したとしている。剤型追加申請した1mg錠は「今回申請した適応症で用いる」(同社広報部)とのことだが、承認取得前ということで用法・用量の詳細は明らかにしていない。なお、米国では1日2mgが開始用量となっている。日本でエビリファイ錠のうち最も小さい規格が3mg錠のため、1mg錠も申請したようだ。
自閉症の有病率は1万人に対して2~20人で、国内患者数は約2万1000人とされる。この2割にみられる興奮性に対する治療薬はほとんどないのが現状で、安全に使用できる薬剤が望まれている。