中国 薬剤承認の遅延解消、GEの品質確保目指す
公開日時 2015/12/08 03:50
中国政府は、国内外に評判の良くない医薬品承認の遅延解消やジェネリック医薬品(GE)の品質を向上させる施策を相次いで打ち出している。新華社通信、ロイター通信などが報じた。
中国政府の最高諮問機関であるChinese People’s Political Consultative Conference(CPPCC:中国人民政治協商会議)は12月1日、国内に置けるGE開発促進のために、煩雑な「お役所仕事」を合理化すると同時に、GEの品質評価基準を厳格にする方針を明らかにした。
CPPCCのYu Zhengsheng議長は、「GEの品質を改善することは、ヘルスケアシステムの持続性にかかわることであり、国民が有効な医薬品を手ごろな価格で入手できるかどうかの問題である」との考えを示した。
同時に会議は、病院向けに医薬品採用の際の統一基準や高品質の医薬品を選択するように誘導する施策を確立することを提言した。中国政府は、今回の改善策は、混雑した病院の解消、医師と患者の関係悪化の改善、病医院の汚職、患者負担の高騰などヘルスケア全体における一環として位置付けている。
承認審査の合理化については、すでに、中国食品医薬品管理局(CFDA)が、11月初めに新薬承認を迅速化する目的で、3年間にわたるパイロットプログラムを11月5日から発足させることを発表した。同パイロットプログラムは、北京、上海、広東省南部、浙江省など10地区で実施される。
CFDAのBi Jingquan長官は、「現行の医薬品承認プロセスは、医薬品製造業界発展のためには相応しくない」と新薬承認プロセスの合理化を図り、業界育成を目指すことを示唆したほか、「一部のGEの品質は、国際基準の観点からはるかに遅れている」と問題点を指摘した。
GEの品質の問題では、11月にも、CFDAは、11件の承認申請について、虚偽の臨床試験データだったとして、申請受理を拒否している。