13年度国民医療費は40兆円 2.2%増 医科診療費の伸び低く 調剤は7兆円に
公開日時 2015/10/09 03:52
厚労省が10月7日に発表した2013年度国民医療費は、総額で初めて40兆円を超えた。40兆0610億円で、12年度と比べ8493億円増の2.2%増と、近年は3%程度の伸び率となる診療報酬・薬価改定の狭間の年としては低い伸びとなった。総額の7割を占める医科診療費が、入院、入院外とも1%台の伸びで、全体としても1.4%増と、改定の狭間の年としては低い伸びだったことが要因の1つとみられる。
近年、国民医療費の伸びが緩やかになる傾向がみられる。その背景について同省大臣官房統計情報部の担当官は、「他の調査などを見ると受診日数(のべ患者数)が減ってきている。その背景は定かではないが、入院については平均在院日数の短縮化、入院外については長期投与の影響があるのではないかと考えられる」としている。
その中に合っても総額は7年連続で過去最高を更新し続けいる。伸びの主な要因は高齢者の増加に伴う高齢者医療費の増加。75歳以上の後期高齢者医療給付分は13兆0821億円と13兆円を超え、伸び率も3.7%と、全体を上回る伸び率だった。
そのほか高い伸びを示しているのは、薬局調剤医療費で13年度は7兆円を突破し、7兆1118億円、6.0%増だった。
傷病別に費やされた医療費を見ると、最も多いのが医科診療医療費の2割を占める「循環器系疾患」で、額にして5兆8817億円、1.5%増。次いで「新生物」(3兆8850億円、1.9%増)、「筋骨格系及び結合組織の疾患」(2兆2422億円、3.6%増)で、いずれも65歳以上の患者が後押ししている。