アステラス 高リン血症治療薬キックリンの顆粒製剤を承認申請
公開日時 2015/10/01 03:50
アステラス製薬は9月30日、高リン血症治療薬キックリンカプセル250mg(一般名:ビキサロマー)の追加剤形として開発していた顆粒製剤について、同日に日本で承認申請したと発表した。顆粒製剤を投入することで、患者の服薬時の利便性向上が期待できるとしている。
同剤はアミン機能性ポリマーで、消化管内でリン酸と結合し体内へのリン酸吸収を阻害することで、血清リン濃度を低下させる。
腎機能が低下した慢性腎臓病患者では、腎臓からリンを十分排泄できなくなり、体内にリンが蓄積して高リン血症を発症する。高リン血症が持続すると、骨の痛みや骨折しやすいなどの症状を特徴とする腎性骨症や、心血管系組織の石灰化による虚血性心疾患のリスクが高まる。このため血清リン濃度を適正値に維持することが極めて重要とされている。
同剤は米イリプサ社(現アムジェン子会社)が創製し、06年4月にアステラスが日本における独占的な開発・販売権を取得した。そしてアステラスは、透析中の慢性腎不全患者における高リン血症の改善の効能・効果で12年6月に発売し、15年3月には保存期慢性腎臓病患者における高リン血症の改善の効能追加の承認申請を行った。なお、同剤は三和化学研究所と共同販促している。