米FDA オロト酸尿症初の治療薬Xuridenを承認
公開日時 2015/09/08 03:50
米食品医薬品局(FDA)は9月4日、先天性オロト酸尿症治療薬Xuriden(uridine triacetate)を承認した。同剤は、先天性オロト酸尿症の初の治療薬。同疾患は世界で20人程度と報告されている希少疾患の中でも、まれな先天性疾患。国立成育医療研究センター運営の小児慢性特定疾病情報センターのウエブサイトによると、国内では、同疾患については2家系の報告があるのみとしている。同剤は、希少疾患治療薬の指定を受けるとともに、優先審査の対象となった。
同剤は、幼児用剤型として食品あるいは牛乳と混合して投与できる経口顆粒剤である。Uridineの補充療法となる。1日1回投与。先天性オロト酸尿症は、常染色体劣性遺伝による先天性代謝異常疾患である。一定の酵素の欠損によってリボ核酸(RNA)に必要な構成成分であるuridineを正常に合成できないために、貧血、白血球数減少や好中球減少などの血液異常や成長障害、オロト酸が大量に排泄されることで尿路におけるオロト酸の結晶形成による尿路障害などを引き起こす。
同剤の安全性および有効性は、3~19歳までの4例の小児および少年を対象に単一アーム、オープンラベルの臨床試験で検証された。同試験の評価項目は、同剤投与開始後の血液パラメーターの変化とした。その結果、6週間後および6か月後には、同剤を投与した4例では、血液学的安定性が示され、効果が確認された。副作用については、9か月経過後の患者も報告されていない。
Xuridenは、米ベンチャー企業Wellstat Therapeutics Corporation社(本社:メリーランド州ゲイサーズバーグ)が販売する。
FDA医薬品評価研究センター(CDER)のAmy G Egan医薬品第2部長は、「本日の承認および小児希少疾患の優先審査バウチャー制度は、FDAが希少疾患患者に治療法を提供できるよう取り組んでいることを強調するものだ」と述べた。その上で、「Xuriden承認以前には、この疾患の患者は、承認された治療選択肢がなかった」と同剤の承認を歓迎した。