米FDAガイダンス案 バイオシミラーの一般名 先発品と区別を提案
公開日時 2015/09/04 03:50
米食品医薬品局(FDA)は8月27日、バイオシミラー(バイオ後続品)の国際一般名称(INN:一般名)は、先発バイオ医薬品の一般名とは区別する方法を提言する内容の医薬品業界向けガイダンス案を発表した。
FDAが提案したのは、先発品およびバイオシミラーの一般名には、それぞれFDAが指定した4文字の異なる接尾辞のアルファベットを付記すること。
例えば、有効成分がreplicamabという一般名ならば、先発品はreplicamab-cznmとする一方で、バイオシミラーは、replicamab-hixfとする。
先発品とバイオシミラーが同一化合物であることを示すと同時に、区別可能なようにしたと説明している。この4文字は、特有なもので意味を持たせないと規定した。さらに、この4文字には、販促的な意味を持たせない、臨床現場で使用されている略語とは類似させない、医薬品名を想像させるものであってはならない、現在市販されている製品を想像させるものであってはならない‐などの制限も提言した。
医療現場での安全性確保や副作用問題発生時に追跡の容易さの観点から、バイオシミラーの一般名には、先発品と別の名称が良いとの立場をとっている。
FDA医薬品評価研究センター(CDER)のJanet Woodcockセンター長および生物製剤評価研究センター(CBER)のKaren Midthunセンター長は、同日、FDA公式ブログで、「今回提案の命名法によって、FDAが互換性を認めていないバイオ製剤と不注意な取り違えを予防するのに役立つ、また、外来診療、入院治療および薬局におけるバイオ製剤の使用追跡を容易にするのに役立つ」とメリットを上げた。
バイオシミラーの一般名については、BIO(米国バイオ産業協会)やPhRMA(米国研究製薬工業協会)の先発品企業側は、BSは先発品と科学的に異なる物質なので、別の一般名を使用すべきと主張、一方、GPhA(米国ジェネリック医薬品協会)は、先発品とBSを通常のジェネリック医薬品の場合と同じように同一一般名にして何らの問題はないと反発、論争が続いていた。
FDAは、「同案についての意見、提言を歓迎する」として、同日からパブリックコメントの募集を開始した。
なお、FDA公式ブログでは、FDA幹部職員らが、FDA声明や情報の背景についての解説や見解を述べている。