【World Topics】アメリカの臓器移植
公開日時 2015/08/24 03:50
アメリカでは1988年以来累積61万件以上の臓器移植手術が行われてきた。ドナーの(脳)死後の移植が多いが、 腎臓、肝臓や肺の一部、腸、骨髄などの生体感移植も年間6000件程度行われている。(医療ジャーナリスト 西村由美子)
臓器売買はもちろん禁じられているので、移植はもっぱら自発的なドナー登録者と移植希望者のマッチングによって実施されている。生体間移植に関するサービスもあり、ドナーの4人に1人はレシピエントと血縁関係がない。移植を希望して他国から米国を訪れる患者も 移植希望者リストに登録でき、適合のよいドナーが現れれば移植を受けることができる。
ウエイティングリストに登録されている移植希望者は現在123,000人おり、ほぼ12分に1人の割合で新規登録がなされているという。
ドナー登録は自動車免許証更新時にチェックするだけでできるようになっているが、実際には臓器の提供は希望者の数に追いつかず、毎日21人が、また 年間およそ6,500人(移植希望者の約7%)が、適合するドナーが見つからないまま、移植を待てずに亡くなっている。
臓器移植の実施件数を州別にみると、2014年に腎臓、肝臓、心臓、肺、腸管の移植を全く実施しなかった州はアラスカ、モンタナ、アイダホ、ワイオミングの4州のみ。合計実施件数が多い順に見ると、カリフォルニア(3,454)、テキサス(2,626)、フロリダおよびペンシルベニア(ともに1,803)、オハイオ(1,238)である。
啓発活動も活発な米国では、連邦政府のサイトOrgandono.govにさまざまな情報が集約されており、またレシピエントの移植後の活躍や人生のエピソードも紹介されている。
http://www.organdonor.gov/index.html