バイオシミラー協議会 FDAに要望書提出「先発品の一般名と同一に」
公開日時 2015/07/07 03:50
米国ジェネリック医薬品協会(GPhA)傘下のバイオシミラー協議会は、米薬剤師会(APhA)など医療職能および19団体・企業と共同で、バイオシミラーの一般名について、先発バイオ製剤と同一名称を使用するよう米保健福祉省(HHS)および米食品医薬品局(FDA)に要望書を提出した。米バイオシミラー協議会が6月30日発表した。
要望書では、「我々は、FDAが患者の安全性確保に深く関与している点を理解しているが、バイオ製剤とバイオシミラーは同一のINN(国際一般名称)を持つべきと信じている。バイオ製剤とバイオシミラーに個々の名称を付けると患者や処方者に無用の混乱を生み、医療過誤を起こす確率を増やす」と同一名でない場合のデメリットを指摘した。特に、先発バイオ製剤とバイオシミラーに2つの一般名がある場合に、不必要な変更が小売および地域薬剤師が現在使用中の(安全性に係る)薬局警告システムに混乱を生むと懸念した。バイオシミラーについては、副作用問題や回収の場合、NDC(全米医薬品コード)、ロットナンバー、製品名、製造業者名など流通段階で現在実施されている体制で当該薬剤の情報は十分に追跡できるとした。
さらに、2つの名称が存在することで、調剤の際の複雑さが「薬剤師、保険支払者、薬剤給付管理会社(PBM)に大きな混乱を生み」、結果的に、「救命薬への患者アクセスを妨げることになる」と懸念を表明した。
GPhAのRalph G Neas会長兼CEOは、「我が国の薬局、薬剤師会、保険者、退職者協会の代表らが、生物製剤とBSは患者の安全性確保と医療供給者および調剤者における混乱を回避するために同一の名称を持つべきということに合意した」と話している。
同要望書に署名したのは、バイオシミラー協議会のほか、米国薬剤師会(APhA)、米国健康保険プラン(AHIP)、カリフォルニア公務員退職者協会(CalPERS)、CVS Health、Express Scripts、全米チェーンドラッグストア協会(NACDS)、Walgreensファーマシューティカル・ケア・マネジメント協会(PCMA)など19団体および企業。
バイオシミラー協議会は今年4月16日、バイオシミラーの啓もう、啓発、普及促進を含め総合的対策を進める目的でGPhA内に設置された。
バイオ製剤を製造する先発企業やバイオベンチャー企業などは、バイオシミラーは通常の後発医薬品(GE)と科学的に異なることから、同一の一般名は使用しないよう求めている。これに対し、GPhAは改めて、医療関係者、保険関係者などの賛同を得て、関係当局に要望、先発企業の動きを牽制した格好だ。