田辺三菱 不随意運動の改善薬「NBI-98854」を導入 遅発性ジスキネジアなど対象に開発へ
公開日時 2015/04/03 03:50
田辺三菱製薬は4月1日、米ニューロクラインバイオサイエンス社が開発する不随意運動を改善する薬剤「NBI-98854」について、日本およびアジアにおける独占的開発・販売権に関するライセンス契約を締結したと発表した。田辺三菱は、指定難病でもあるハンチントン病に伴う舞踏運動、抗精神病薬などによる遅発性ジスキネジアの治療薬として開発を進める方針。開発スケジュールは計画中だとしている。
同剤は、神経終末に存在するVMAT2を阻害することで、ドパミン等の神経伝達物質のシナプス前小胞への取り込みを減らし、不随意運動の発生に関わるドパミン神経系の機能を正常化させる作用が期待されている。日本で承認を取得すれば、国内初の遅発性ジスキネジアの治療薬になる可能性がある。米国でニューロクラインバイオサイエンス社が、遅発性ジスキネジアの治療薬としてフェーズ3を進めているという。
今回の契約締結で、田辺三菱はニューロクラインバイオサイエンス社に対して契約締結時一時金3000万ドルを支払う。上市までに、開発および販売マイルストンとして総額8500万ドルの追加一時金を支払う可能性がある。契約の中のアジアの範囲は、中国、韓国、台湾、香港、インドネシア、シンガポール、マレーシアなど14の国・地域。