厚労省 前立腺がん治療薬ザイティガの添付文書改訂指示 重大な副作用に低カリウム血症など
公開日時 2015/02/03 03:51
厚労省医薬食品局は2月2日、14年9月にヤンセンファーマが発売し、アストラゼネカと共同販促している前立腺がん治療薬ザイティガ錠(一般名:アビラテロン酢酸エステル)の副作用として低カリウム血症、血小板減少症が国内で見られたことから、添付文書を改訂し、注意喚起するよう日本製薬団体連合会に通知で指示した。国内では報告されていないが、海外で見られた横紋筋融解症を含め、いずれも「重大な副作用」として明記することなった。
因果関係が否定できない副作用症例は、低カリウム血症では4例で、うち1例は同血症による不整脈から死亡した。血小板減少症は4例。横紋筋融解症は海外症例が集積し、承認取得者が海外を含む安全性などの情報を盛り込んで作成する文書「CCDS」の改訂があったことを踏まえ、今回の改訂に反映させることになった。
低カリウム血症については、「重要な基本的注意」に「投与開始前に血清カリウム値等の血清電解質濃度を測定し、低カリウム血症が認められた場合には、血清カリウム値を補正した後に、投与を開始すること」と対応を求めた。さらに「重大な副作用」の項には「定期的に血清カリウム値等の血清電解質濃度の測定を行うなど観察を十分に行い、異常が認められた場合にはカリウムの補給や本剤の休薬等、適切な処置を行うこと」とした。
投与開始前に低カリウム血症が見られた症例や、合併症や併用薬等により低カリウム血症を起こすおそれのあった症例もあったという。