米FDA 血漿の病原体不活化システムを承認
公開日時 2014/12/26 03:50
米食品医薬品局(FDA)は12月16日、血液事業者が扱う血漿製剤の輸血による感染(TTI)のリスクを低減させることを目的とした米国初の病原体不活化システムであるIntercept Blood Systemを承認した。米Cerus Corporation(本社:カリフォルニア州コンコルド)が販売する。
同システムは、全血由来の血漿および血漿成分分離装置によって得られる血漿における病原体を不活化するために使用される。同システムにより、HIV(ヒト免疫不全ウイルス)、B型/C型肝炎ウイルス、ウェストナイルウイルスなどを不活化できる。広範囲のウイルス性及び細菌性病原体に有効性を示したが、すべての病原体に有効ではなく、ヒトパピローマウイルスB19のような特定のウイルスや特定の細菌によって形成される芽胞は同機器の処理に耐性を持つとされている。
血漿における一定の病原体の不活化は、紫外線とソラレン誘導体であるアモトサレンによる光化学的処理(照射)により行われる。ソラレンは、植物由来の化学物質で紫外線への感受性が高く、紫外線の吸収を助ける。
同システムを使用した血漿は、合計704例、8本の臨床試験で評価された。血漿を輸血された患者は、肝疾患や希少疾患である、血栓性血小板減少性紫斑病(TPP)など後天的凝固障害を持つものだった。副作用は、システム活用の有無によらず、同等だった。
FDAのKaren Midthun生物製剤評価研究センター長は、「血液事業者に輸血による感染症病原体の伝搬を低減させる血漿をもたらす」と評価した。