小野とギリアド BTK阻害薬ONO-4059をグローバルで共同開発 小野創製の血液がん分子標的薬
公開日時 2014/12/24 03:51
小野薬品とギリアド サイエンシズ(本社:米カリフォルニア州、以下ギリアド)は12月19日、小野が創製したブルトン型チロシンキナーゼ(BTK)阻害薬ONO-4059(開発コード)についてグローバルで共同開発する契約を締結した。日本や韓国、台湾、中国、ASEAN諸国を除く開発・販売権を小野がギリアドに導出する。グローバルの開発・商業化を加速させるのがねらい。
小野はギリアドから契約一時金を受け取るほか、開発の進捗や売上高に応じたマイルストンも発生するが、詳細な内容は非開示。
ONO-4059は1日1回経口投与タイプのBTK阻害薬。BTKは悪性B細胞を制御する細胞内シグナル伝達に関与する蛋白質で、同薬はこれを標的とし、腫瘍細胞の生存と増殖を阻害する。B細胞悪性腫瘍である慢性リンパ性白血病(CLL)および非ホジキンリンパ腫(NHL)を対象とした第1相臨床試験(P1)が欧州で進められており、国内でも先月P1を開始した。
両社は今後、B細胞悪性腫瘍などを対象に、ONO-4059による単剤療法に加え、ギリアドが有する化合物との併用療法についても開発を進める予定。ギリアドが有する化合物は▽ホスファチジルイノシトール3 キナーゼデルタ(PI3Kδ)▽脾臓チロシンキナーゼ(Syk)▽ヤヌスキナーゼ(JAK)の3つで、いずれもB細胞性悪性腫瘍に関与するシグナル伝達経路を標的としたキナーゼ阻害薬。ギリアドは「(BTK阻害薬を有することで)われわれの目標とする、より良好で長期に持続する効果を実現できるものと期待している」とコメントしている。
小野は9月に悪性黒色腫の適応で発売した抗PD-1モノクローナル抗体オプジーボ(製品名)に続くグローバル開発品としてONO-4059の開発に注力していく意向。BTK阻害薬については、ヤンセンファーマが再発または難治性のCLL/小リンパ球性リンパ腫の適応でイブルチニブ(一般名)を11月に国内申請しているが、同社はONO-4059をBTK阻害薬のベストインクラスの位置付けとなる薬剤と見込む。