大塚製薬 統合失調症薬ブレクスピプラゾール 国際共同P3で主要評価項目達成
公開日時 2014/12/19 03:50
大塚製薬はこのほど、統合失調症の治療薬として開発中のブレクスピプラゾールについて、国際共同臨床第3相試験(P3)で主要評価項目の陽性・陰性症状を改善したと発表した。米国ではこの国際共同P3などの結果を基に統合失調症および大うつ病の併用補助療法の適応でこの9月に申請済み。日本では、国際共同P3とは別に、国内P3が行われている。
試験は、日欧米を含む国際共同P3で、精神症状が見られる急性期の統合失調症患者636人を対象とした。ブレクスピプラゾール0.25mg、2mg、4mgおよびプラセボ群にランダムに割り付け、二重盲検で6週間投与した。その結果、プラセボ群に対して2mg群と4mgで主要評価項目の陽性・陰性症状の評価スコアが有意に改善した。有害事象による試験中断率は、2mg群で8.2%、4mg群で9.4%だった。多く見られた有害事象で発現率がプラセボ群を上回ったものとしては、下痢や吐き気、アカシジア、頭痛が挙がった。
ブレクスピプラゾールは同社が創製し、ルンドベック社(デンマーク)と共同で開発を進めている。ドパミンD2受容体やセロトニン5HT1A受容体にパーシャルアゴニストとして作用する一方、セロトニン5HT2A受容体にはアゴニストとして作用する。国内では統合失調症の適応でのみ開発が進んでいるが、欧米では大うつ病補助療法やアルツハイマー型認知症に伴うアジテーション、心的外傷後ストレス障害の適応でも開発後期の段階にある。